Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2016-01-01から1年間の記事一覧

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-36

7-5-5-1 注釈の解説 上述の解釈に基づけば、もし、修行者の呼吸がゆっくりであるとき、我々は、彼の息は長いと言い、もし、呼吸が早い時、我々は、彼の呼吸は短いと言う。 もし、彼が長い息、短い息について、非常によく専注することができるならば、彼の定…

是誰庵のひとやすみ~一人七輪

29日に息子が四国からやってきました。 自分の車が故障したと言って、借りものの 軽トラで、豊後水道を渡って・・・。 8月から仕事が忙しく、我が家について、 開口一番「とにかく寝かせて」(ブラック 企業に勤めている訳ではありません。 公私ともに忙しか…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-35★

この九種類の方式による長い入息と長い出息の意味する所とは、まさに「身」(kāya)である。 (処を)打ち立てる事は念である。 観は智である。 身は(処の)成立であるが、しかし、念ではない。 念は(処の)成立と念の両方である。 当該の念と智を通して、…

是誰庵のひとやすみ~来年の抱負

来年の抱負~~ まず一番は、瞑想のレベルが上がるよう、努力する、ですね。人生で最も重要なのは<己自身を知ること>でしょうか、ギリシャの神殿にも<汝自身を知れ>と書いてあるそうですし・・・。 瞑想は、そのための王道、正道です。 息の出る入るを見…

是誰庵のひとやすみ~「菩提資糧」upします!

以前翻訳して、当ブログにて公開しました、パオ・セヤドー著「菩提資糧」の翻訳文が<菩提樹文庫>にて、近日、公開されます。 正順ですので読みやすいです。 ゴータマ仏陀の述べた<仏陀になる方法>に興味のある方、是非どうぞ。 HP<菩提樹文庫>主宰の湖…

是誰庵のひとやすみ~バズン・ヒン油少な目

先日、法話会に行きましたら、ある方が<緬甸のカレー>を作って持ってきてくださり、賞味させてくれました。 玉ねぎなどの野菜を多めの油で炒め、ガラムマサラと唐辛子、塩だけで味付けするのだと聞いて、私が緬甸にいたときの好物~~たまごのヒン(カレー…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)3-15

我々の目が喜ばしくない対象を見る時、たとえば、醜い人、嫌な人等々、その時、嫌悪の感受(苦受)が生起し、対象を良くないもの、悪いものとして認識し、次に内心に排斥、反感が生まれる。 もし、この排斥の心理が更に強化されると、苛立ち、怒りが生まれる…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-34

吸う息が長いとき、彼は如何にして「私は吸う息が長い」と知り、吐く息が長いとき、彼は如何にして「私は吐く息が長い」と知るのか? (一)彼は、一定程度の長い時間によって、 長い息を吸う。 (二)彼は、一定程度の長い時間によって、 長い息を吐く。 (…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-33

7-5-5 九種類の長い 「程度」(addhāna)とは何かと言うと、それについては、息の長さに関する理解が必要である。 息が(+鼻先を)出入りする時に一定の長い距離を有する時、それは時間的にも長いのだ、という風に理解する必要がある;息が(+鼻先を)出入…

是誰庵のひとやすみ~12時間の神戸

22日、夜、大分港よりサンフラワー号に乗船。 翌朝 6:30、神戸六甲アイランド港、到着。 お迎えに来ていただいた高校時代の先輩(部活の先輩でもある)ご夫婦のお車で、先輩宅へ。 すこしおしゃべりした後、本日の主な目的である、かつての部活の仲間の方々…

★パオ森林僧院日本道場の説明責任(最終版)

12月23日に神戸で知人に会う予定があるため、私が所属するパオ森林寺院(注1)に関する新しい情報を収集しようとして、<パオ森林僧院 -Wikipedia>を検索してみました所、そこには(11月に書かれたと思われる)以下のような、驚くべき告知が・・・。 《日…

是誰庵のひとやすみ~今年を振り返って

後10日ほどで、今年も終わります。 二回目の出家から、ちょうど二年が、経ちました。 出家してよかったな、としみじみ思う、今日このごろです。 小さな田舎町で、一人だけ、緬甸の尼僧の恰好をして暮らすなんて、周囲から浮くのではないかな、と心配しました…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-32

7-5-2 第二グループの四つの段階 09、彼は、喜を覚知しながら、息を吸い・・・ 10、彼は、喜を覚知しながら、息を吐き・・・ 11、彼は、楽を覚知しながら、息を吸い・・・ 12、彼は、楽を覚知しながら、息を吐き・・・ 13、彼は、心行を覚知しながら、息を吸…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-31

7-5 長いと短い 「正念をもって息を吸い、正念をもって息を吐く」とはどういう事か? 仏教は経文の中で、教えて曰く: 「吸う息が長いとき、彼は『私の吸う息は長い』と知る。吐く息が長い時、彼は『私の吐く息は長い』と知る。」 注釈では以下のように説明…

是誰庵のひとやすみ~無事これ名馬

早いもので、もう12月の中旬。 今年も残すは後2週間。 と言っても、子供の時のように(遠い昭和の時代)、新しい年が来るという、あのドキドキ感、ワクワク感はありませんね。 普段から飽衣飽食で、お正月だからといって、これといって欲しいものも、買いた…

是誰庵のひとやすみ~緬甸語の学習

15年前に、瞑想の理論書「智慧之光」を持って、日本滞在中のパオ・セヤドーにお会いしに行き、日本語に翻訳する許可を頂きたい旨申し出ましたら、「翻訳などしないでいいから、緬甸に修行に来なさい」と言われました(「智慧之光」は、翻訳して、「智慧の光…

パオセヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4‐30

7-4 彼は正念をもって息を吸い、正念をもって息を吐く 「彼は正念をもって息を吸い、正念をもって息を吐く」とは、彼が呼吸する時、正念を捨てない事を言う。 正念は非常に重要である。 正念の意味は、(+所縁を)はっきりと覚えていて、忘れない事、であ…

パオ・セヤドー講述「顕正法眼」(翻訳文)~4-29

7-2 適切な姿勢 「上半身をまっすぐに」とは、背中の一節毎の脊椎を端正にし、節と節は水平に正しく接し、体がまっすぐで、腰が正しい(+位置にある)事を言う。 仏陀は上記のような座った時の姿勢を推奨しているが、その理由は、この姿勢が最も安定してい…

是誰庵のひとやすみ~徒然草、最後

第241段 吉田兼好曰く: あれこれの願い事を成し遂げた後、時間ができたら仏道修行に励もうと思っているような人間の身に、願い事が尽きる日はついに来ない、云々。 仏道修行は、己自身を見つめる修行です。 地味で味気ないので、最初から好き、という人は少…

是誰庵のひとやすみ~徒然草、続き

徒然草第174段。 小鷹狩りに使っていた犬を大鷹狩りに使うと、犬は小鷹狩りに行きたがらなくなる。(鷹の)大きい方が面白いからと、吉田兼好は言う。 で、次に、続けて言う: 仏道修行ほど味わい深いものもなく、一たび道に志したものは、他の事に興味を失…

是誰庵のひとやすみ~徒然草

先日、図書館に出向いた所、ピンク一色の表紙の、ちょっと変わった雰囲気の本が、新規到着本展示棚に飾ってありました。 装丁が非常に斬新な気がして、手に取ってみたら、枕草子、方丈記、徒然草の現代語訳でした。 徒然草は内田樹の訳で、これが、なかなか…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-28

もし(+修行者が)、村落から遠く離れることがなければ、安般念の法門を成就する事は、非常に難しい。 というのも、禅定(=サマーディ)から言えば、音とは、鋭い棘のようなものであるから。反対に、村落以外の場所でならば、禅の修行者は、非常に容易に禅…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-27

このような悪い習慣を克服する為に、彼は散乱する心を不断に引き戻し、なるべく長く呼吸に専注するように努力して、呼吸に専注する新しい習慣を育成しなければならない。 これはちょうど牛の放牧者が、野生の母牛の母乳を飲んで成長した野生の子牛を調教する…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-26

7-1 適切な場所 仏陀は「比丘は森林、木の下または静かな場所に行き・・・」という経文の中で、禅の修行者が正念を育成するための、適切な場所について述べている。 一般的に、いまだ修行を始める前、禅の修行者の心は、すでに非常に長い間、音や物質などを…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)3-14

この世界で生活するという事は、己自身の心・身と外部環境との、双方向的関係性以外のなにものでもない。 我々の目が、たとえば、美しい人、きれいな洋服等、意に適う対象を見たとき、愉悦の感受(楽受)が生じ、対象を良いもの、美しいものとして認め、次に…

是誰庵のひとやすみ~正念と正定について

八聖道の中の<正念>は、パーリ語でサンマ・サティと言い、英語では<マインドフルネス><アウェアネス>と訳されました。 そこから、日本では正念を、気づき、気づいている事と、説明されるようになりました。 最近、パオ・セヤドーの著書「顕正法蔵」の…

是誰庵のひとやすみ~「菩提資糧」菩提樹文庫にてUP間近!

以前、このブログで翻訳して公開しましたパオ・セヤドー著「菩提資糧」は、ただいま HP<菩提樹文庫>主宰責任者様によって、校閲のまっさい中です。 校閲が完成しましたら、近々、<菩提樹文庫>にて正式に公開されます。 正順で、読みやすくなっていますの…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-25

ちょうど巧みな車床師(+意味不明。辞書では旋盤工とある)または彼の生徒が、しっかりしゃがむとき、彼は『しっかりとしゃがむ』と知り、彼が少ししゃがむ時、『少ししゃがむ』と知るのと同じように、比丘が吸う息が長いとき、彼は『私の吸う息は長い』と…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)3-13

第四節 煩悩の生起 煩悩は、どのようにして生起するのか? 前述した通りに、あらゆる名法(心理的現象)は、それぞれ目標を持つ。そして、常に目標を認知する作用を執行している。 我々の、普通に言う所の生活とは、心が不断に異なる目標を認識している過程…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)3-12

煩悩は、各種各様色々あるものの、それらは、大きく三つに分ける事ができる: 1、貪(lobha)ーー目標を貪愛する。各種の程度の異なる貪を含む。極めて強い貪欲、痴迷、渇求、極めて微細な(+何かへの)好み、追及、これらは皆、貪愛に属する。 2、瞋(do…