南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-182

問2-8: 仏陀は「夢」を見ますか?(+仏陀が)夢を見るとき、正念はありますか? 答2-8: 仏陀とパーチェカ仏を含む、すべての阿羅漢は、二度と夢を見ることはない。というのも、彼らはすでに、すべての迷い、幻想を取り除いているから。 パーリ聖典の中…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~181ー7★

多くの経の中で、仏陀は、過去世の因が、現世の五蘊を形成する、と教えている。 たとえば:過去世の無明、愛(=渇愛)、取、行、業が、現世の五蘊を形成している、等々。 仏陀はまた、現世の因は、来世の果を齎す、と言う。 もし、あなたが、縁起の教えを認…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~181-6

《清浄道論》の中で、彼が自分自身の考えを表明した部分は、ただ一回、出現するに過ぎない。 彼は言う: 「我々の、この事柄に対する選択・決定は以下の通りである」と。(清浄道論・第13品)。 また、《中部 Majjhima Nikāya》の注釈の中で、彼は一度だけ、…

「修心与神通」(翻訳文)~13-3

(3)菩提心を発していないこと: 真剣に道を修し、果を証悟したいという決意 (+がない)。 言い換えれば、もとより出離心などなく、諸法が夢であり幻であるという(+そのからくり)を見抜くこともできないでいる。 そして、諸々の、種々の欲念の中で、…

是誰庵のひとやすみ~千里の道

先日、ふとしたことで知り合った法友に誘われて、その人のご自宅で、少々仏教の話をさせて頂きました。私のレベルでは「法話の会」とまではいきませんので、「囲む会」ということでお願いしました。私は子供の時から仏教が好きで、早くから経典を読んでいて…

是誰庵のひとやすみ~尼僧の冬支度

私は、ビルマのパオ森林寺院ヤンゴン支部で出家した尼僧(Sayalay)である(戒師はクムダ・セヤドー)。 パオの決まりで、Sayalayは、こげ茶色の法服を着ることになっているが、15年前に、モーラミャインの本山にいた時頂いたブラウス等々、頂いた時すでに中…

是誰庵のひとやすみ~お隣はパン屋さん

我が Y盆地は、一村一品運動の流れを汲んだ、意識高い系主婦が多い。 で、パン屋さんも、個人営業の店なら皆、酵母パンが売り!である。 私のお気に入りは、塚原高原にある<オ〇パン>だけど、アンパン一個買うには、ちょっと遠い。 ところがところが、我が…

「修心与神通」(翻訳文)~13-2★

(2)軽安が得られない: これは、欲界世界の色とりどりの六塵、五毒、財、色、名、食、睡眠の習慣に執着・愛着し、そこにつかまって、そこから逃げられないでいる、という事を意味する。 そういうことから、人々は、軽安になることができない。 または、定…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~181‐5

四部ある注釈の中の、それぞれの注釈の序言に、覚音論師は、以下のような結論を書いている: 「私は現在、注釈を翻訳しているが、その趣旨は、微妙で殊勝な、長部などの聖典に含まれる意味を説明する事である。これは、仏陀および仏陀に類する資格を有する人…

「修心与神通」(翻訳文)~13-1

14、弥勒菩薩は定でない境地をどのような12種類に分けたのか? 弥勒菩薩は非常に慈悲があり、《瑜伽師地論・巻13本地分》の中で、定でない範囲を非常に分かり易く説明している。 これによって、後学の者は、ことごとく、定に入らないという事はなく、かつ、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~181-4

《清浄道論》に基づくこれらの教えは、なんらのジャーナも具備しないまま、直接観禅の修行をしたい人は、先に簡略法または詳細法、または簡略法と詳細法の二つともを採用して、四大を識別しなければならない、という。 すでに、ある種のジャーナを証悟した人…

「修心与神通」(翻訳文)-12

11、出定とは何か? いわゆる「出定する」とは、どのような原因で、我々は定に入ることができないのか?という問題を意味している。 我々が、定に住む(=定に留まる)状況の中で、まったくどのような分別・思想も生起しないのならば、非常に快適で、軽やか…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~181-3

次に、彼は、五門の心路過程を観照する前、必ず、先に色業処を修行しておかねばならない。色業処を修行するより以前、彼は、五門心路過程を観照することができない。というのも、彼は眼識、耳識等が依存する所の、眼浄色、耳浄色などを照見することができな…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~181-2

止行者は、先にどれか一つのジャーナを証悟した後、それによって心清浄に到達する。 彼が更に進んで、見清浄の修行をしたいと思うとき、先に、非想非非想定を除く、それ以外のどれか一種類のジャーナに入らなければならない。 定から出た後、尋、伺等の禅支…

是誰庵のひとやすみ~栗拾い

懇意にしている大工さんが、我が家の壁を修理しに来てくれました(地震で壁に亀裂が入ったので)。 その大工さんが「もしよかったら、栗を拾わせて」と言う。 奥さんのご実家の方々が栗が大好きで、我が家の庭で拾った栗が届けられるのを、心待ちにしている…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~181-1

問2-7: 四界分別観を修行して後、初めて名色法を分析 できる、という言い方は、どの経、論に出ていますか? 答2-7: 多くの経及びそれらの注釈の中に、これらの事が書かれている。 たとえば、《中部 Majjhima Nikāya》の 《大牧牛者経Mahāgopālaka Sutta》…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-180

問2-6: 捨心観を基礎にして、無色界定を修行することはできますか? 答2-6: できない。 無色界定に到達したいのであれば、まず先に、遍禅を修行して、色界第四禅に到達しておかねばならない。たとえば、地遍を修行して第四禅に到達しておく、等。 第四禅…

「修心与神通」(翻訳文)-11

10、弥勒は、なぜ座禅・瞑想の第一歩は資糧の円満具備から始めよ、と言ったのか? 仏を学んで座禅・瞑想する時、もし、智慧の資糧と福徳の資糧を具備しないままに、ただめくらめっぽう修行するならば、非常に危険な後果が生じ、その結果、曲りくねった迷路の…

「修心与神通」(翻訳文)-10★

9、法の修習において、各種の定に入るのは、 いかなる原因か? 仏は、経典の中で言う: 「謂二種相、一為所縁相、二為因縁相。所縁相、謂分別体、由縁此故、能入諸定;因縁相、謂定資糧、由此因縁、能入諸定」 まず先に「所縁相」とはどのような意味である…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-179

問2-4: どのようにして、見、聞、覚、知を通して解脱に到達するのでしょうか? 答2-4: もし、あなたが、見る、聞く、知覚する、知るときにおいて、究極の名色法を照見でき、かつそれらを無常・苦・無我と観照することができたならば、あなたは解脱に到達…

是誰庵のひとやすみ~秋味三昧

今年は猛暑で、朝起きると、もう暑い。 熱中症を恐れて、ずるずると、庭仕事を休んでしまいました。 そんな訳で、庭は今、50cm~1m超の雑草だらけですが、そこへ栗が熟して、ポタポタ落ちているようです、ウ~~ン、今年の栗拾い、あんまり楽しくないかも(…

「修心与神通」(翻訳文)-9

8、定を修習する前に行うべき準備とは? 定を修習する前の準備として、最も重要なのは、仏法の教理を首尾一貫して、しっかり理解して、その後に、一門を選択して深く入ることである。 これは、理論をしっかり理解してから、実験をするようなものである。 言…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-178

問2-3:仏果を証悟できない人、というのはいますか? 答2-3:南伝の仏法では、何種類かの人が、仏果を証悟できない、ということになっている: 一番目は仏陀。というのも、仏陀はすでに仏果を得ているので、再度仏果を証悟することはできない。 すでに仏陀か…

是誰庵のひとやすみ~原発なくなれ

今朝のヤフーのニュースに、福島の地震、原発事故を原因とする<仮設入居今なお9万人>とありました。 9万人・・・、今年4月の熊本・大分地震で、私自身も(少々)被災し、公民館や学校体育館の避難所等を渡り歩きましたけれど、同じ場所に100人くらい集ま…

「修心与神通」(翻訳文)-8

7、修行者は、どのような異なった心理と観念をもって、定と道の修行に努力するのか? この娑婆世界では、それぞれの区域の種族と風習、習性によって、それぞれ異なる心理と観念がある。ゆえに、すべての定の境地もまたおのおので異なっている。 以下は、一…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-177

問2-2: もし、禅の修行者が、不誠実で、己の禅の修行体験を、実際の状況に基づいて報告しない時、彼はどのような損失を被るのでしょうか? 答2-2: 彼が嘘をついているならば、彼の戒行はすでに不清浄となる。ゆえに彼はジャーナ、道と果を証悟すること…

「修心与神通」(翻訳文)~7-2★

仏陀は我々の定の修習のために、無量無辺なる法門を教えてくれた。だた、何も、この法門があの法門よりいいとか悪いとか、レベルが高いとか低いとか、速いとか遅いとか、ではない。 というのも、衆生にはいろいろな性があり、種々の欲があり、それぞれ、何を…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~176-3

この時、彼の先生は、自分がいまだ一人の凡夫であることに気が付いた。彼は謙虚に法施阿羅漢に助けを求めた。 法施阿羅漢曰く: 「尊者、心配しないで。私はまさにあなたを手助けしに来たのです」 こうして、彼は先生のために、一種の業処を詳しく説明し、大…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~176 -2

ある日、彼の弟子である法施阿羅漢は、自分の住居にいて、心に思った:「我々の、Uccavalikaに住んでいる先生大龍大長老は、すでに究極の沙門果を得ただろうか?」 観察してみると、彼は彼の先生がいまだ凡夫であり、かつ、彼が先生に注意を促さなければ、先…

「修心与神通」(翻訳文)~7-1

6、どのように修行して定に入るのか? 世尊は言う: 「謂如所縁、作種種作、而入於定」 ここで言うと所の所縁とは、浄土宗において「阿弥陀仏」の仏号を念じ続けて、念ぜずといえども念ず、念ずといえども念ぜす、という境地、道家では「竅を守る」というレ…