Sayalay's Dhamma book

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パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-177

問2-2:

もし、禅の修行者が、不誠実で、己の禅の修行体験を、実際の状況に基づいて報告しない時、彼はどのような損失を被るのでしょうか?

答2-2:

彼が嘘をついているならば、彼の戒行はすでに不清浄となる。ゆえに彼はジャーナ、道と果を証悟することはできないし、また、修行上の顕著な進歩も望めない。もし、彼が明らかに(+そうではないと)知りながら、わざとジャーナ、道と果を証悟したなどと詐称したならば、それは非常に重い戒律違反になる。もし、この悪業が臨終のときに成熟したならば、彼は地獄に落ちることになる。

仏教徒の身であるならば、我々は、己の目標がどこにあるのかを、はっきりと知るべきである。我々の目標は、生死輪廻から解脱することにあるが、これは我々の得られる最大の利益である。

唯一、目標に到達した後において、我々は初めて、その他の人々を、我々自身が歩いてきた大道に導いて、彼らに最大の利益を齎すことができる。

故に、もし、我々が己自身と、他人をも愛しているのであれば、我々は必ずや誠実でなければならない。

一体我々は、己自身を地獄に落とそうとする人間は、自分を愛しているのだと言えるのだろうか?もちろん否、である。

しかしながら、もし、彼らが徹底的に前非を改め、誠実になり、かつ修行に精進するならば、彼もまたジャーナ、道と果を証悟することはできる。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>