南伝仏教のDhamma book

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パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-179

問2-4:

どのようにして、見、聞、覚、知を通して解脱に到達するのでしょうか?

答2-4:

もし、あなたが、見る、聞く、知覚する、知るときにおいて、究極の名色法を照見でき、かつそれらを無常・苦・無我と観照することができたならば、あなたは解脱に到達することができる。

問2-5:

《中阿含経 Majjhima Agama》の中に、アーナンダ尊者は横になろうとしていたときに阿羅漢果を証悟した、と書かれています。その時、彼は、どのようにして、名色法を観察したのでしょうか?

答2-5:

あなたは、アーナンダ尊者は、出家して比丘になった後、すでに内・外、過去・未来・現在、劣・勝(=すぐれている)・粗い・細かい・遠・近の五蘊を分析することができたし、縁起の修行とそれらの五蘊の因を照見する修行ができていたし、それらの五蘊及びそれらの因が無常・苦・無我であることを観照することができた事を、知っているべきである。

その後、彼にとっての最初の雨安居の期間に、フルナ尊者(Mantānīputta Puṇṇa)の開示を聞いて、彼は、ソータパナ道果(=須陀洹道果)を証悟し、同時に四無礙解智を具備した。

四無礙解智を証悟したいと思う人は、過去世において、観禅を修行して、行捨智のレベルに到達しておかねばならない。

ソータパナを証悟した後、彼は引き続き44年の長きにわたって観禅の修行を続けた。

彼がまさに阿羅漢果を証悟しようとする、あの日の夜、彼は徹夜で行禅(=歩行禅)を修行し、特に、身体の42の部分の色法を無常・苦・無我と観照する修習をしていた。

しかしながら、過度の精進のために、彼の定力は弱くなり、ゆえに彼は、横になって、精進根と定根のバランスをはかろうとした。

横になろうとした過程の中で、五根がバランスされ、その結果、身体がいまだベッドに触れない内に、彼は、阿羅漢果を証悟したのである。

あなたはこれは、決して頓悟ではない、ということを理解するべきである。

というのも、彼は初果ソータパナになった後、44年の間、いろいろな方法、たとえば、名色法、五蘊法、12縁起法、を用いて、徹底的に、名色の無常・苦・無我を観照していたからである。

もし、禅の修行者が、徹底的に内部及び外部の名色の無常・苦・無我を照見し、かつ、観智が成熟したのであるならば、彼はすでに、道果を証悟する辺縁にいるため、彼はただ、己の最も好きな法及び相を観照するだけでよい。たとえば、彼は、ただ、色法の無常・苦・無我を観照するだけでよく、彼は、ただこれだけで道果を証悟することができる。

ただし、もし、いまだ、徹底的に名色を無常・苦・無我と観照する事ができないのであれば、彼は、ただ一種類の法を無常・苦・無我と観照することを通して、何らかの道果を証悟することはできない。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>