【比丘の財産】 財産には、二種類がある。聖なる財産と聖ではない財産である。聖ではない財産とは、金銀宝石、服飾、家屋、土地や田畑である。聖なる財産とは、信仰、戒徳で、仏陀などの聖者の讃嘆する所の品徳の事である。。。 何かの戒条を二三日守るのは難しい事ではなく、誰でもできる。難しいのは、どれか一条でも良いが、それを長期に守る事である。故に、在家者が五戒の全て、一条も落とさないで、一週間、それを円満に持守する事を見るのは、稀である。。。 短期間、戒を守る事は難しい事ではなく、何も特別偉大な事ではない。。。。。 しかし、長期的に持戒するのは尊い事である。。。。。。 以下の様に持戒の価値を知るべきである。即ち、一ヶ月持戒する事は一週間持戒するより尊い。一年持戒する事は一ヶ月持戒するより尊い。比丘は一生持戒するが、故に、徳は非常に高く、持戒の価値は計る事が出来ない。比丘は、戒徳を財産として、身に一文もなくとも、持戒する事によって豊かである。戒徳以外に、比丘はその他の多くの善徳を擁している。例えば信(仏法への確信)、智、施、慈、悲等、これらは皆比丘の財産である。具徳の者以外でも、たとえ破戒の比丘であっても、十種の功徳を擁している。まさに《ミランダ王問経》に言われる様に: