南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-126

ここにおいて、私は、富楼那(=プンナorフルナ)尊者の

忍辱に対する態度について、説明する。

それは、我々が忍辱を修習する時の、よい模範であるから。

仏陀の時代、ある時、プンナ尊者は、世尊に対して、彼は、

西方輪那という所に行って、住したいと言った。

仏陀は彼に問うた:

「プンナ、西方輪那はの住民は、粗野で野蛮である。もし彼らが、

あなたを罵ったならば、あなたはどういう気持ちがしますか?」

長老は答えて曰く:

「世尊、もし西方輪那の人々が私を罵ったならば、私は彼らを

良き人と見做し、瞋恚の無い心、忍耐のある心で、彼らを受け入れ

ます。私は心でこう思います:

『彼らは良き人々だ。非常に良い人々だ。彼らは、ただ私を

侮辱しただけで、拳骨や腕で私を攻撃した訳ではない』と」

仏陀はまた問うた。

「プンナ、もし、西方輪那の人々が、拳骨と腕で、あなたを

攻撃した時、あなたはどのようの感じますか?」

「世尊、私は彼らを良き人と見做し、瞋恚の無い心、忍耐のある

心で、彼らを受け入れます。私は心でこう思います:

『彼らは良き人々だ。非常に良い人々だ。彼らは、ただ私を拳骨と

腕で私を攻撃しただけで、石を投げつけた訳ではない』と」

次に、仏陀は再び彼に問うた。

もし、それらの人々が、彼に石を投げつけ、棍棒で彼を殴ったならば、

刀で彼を切ったならば、あまつさえ、彼を殺してしまったならば、

彼はどのように感じるのか?と。

長老は答えて曰く:「世尊、私は瞋恚の無い心、忍耐のある心で、

彼らを受け入れます。私は心でこう思います:

『身体と生命に嫌悪を感じて、世尊の何人かの弟子、例えば瞿低迦尊者

と闡那尊者は自殺しました。私はなんと幸運なことか。

私は自殺しないで済むのですから。』」

最後に、仏陀は彼の考え方を讃嘆し、彼の為に祝福した。

(+ )(= )訳者。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)