Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~啐啄同機

啐啄同機・・・禅宗でよく言われる格言ですね。

もう40年前になりますか・・・訪日視察団(インバウンド)の随行通訳で、東京ガス本社にお伺いした時、社長室に、この言葉が額に入れられて、壁に飾られているのを、見た事があります。

自分自身の中に、人生に対する深い疑問がある・・・それは一個の玉子・・・胸に抱いて温めていると、いつの日か、それは小さな<雛>になって、中からコッ、コッと、殻を打ち砕き始める。

その時、親鳥(師)がいて、その音を聞いたならば、外からも啄んでやる事によって、雛が殻から出て来るのが早まり、それだけ安全でもある、という事です。

啐啄同機・・・言うは易し行うは・・・少なくとも私は、日本ではよい師に恵まれず、結局、胸の玉子は、一人で温め続け・・・ああ、でも、その玉子がコッ、コッと音を立て始めた時の嬉しさと言ったら・・・私以外、みな私の師であると同時に、私が私の師であった時の喜び・・・。

宗教は、自立と自律の為にある。

こっちに飴玉あるよ、寄っておいで宗教は、こちらから、ごめんこうむりたい。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

 

 

 

般若の独り言~老サヤレー来る

「暑い暑い」と言っている内にすっかり秋、ここは九州の高原で、朝夕は寒いくらいです(私はあまり『暑い』だの『寒い』だのは言わない方です。子供の頃から、<言っても詮無い事>は言わない、という心得は会得しています)。

20年前、緬甸のモーラミャインで、共に修行した台湾人

老サヤレーが、日本の秋を体験したいと、我が精舎を訪れてくれる事になりました。

この方は、夫婦で大乗仏教で出家していたものの、

後にテーラワーダ(パオ)に転進し、現在、夫は台湾

テーラワーダ系僧院の住職さん、サヤレーは少し離れた別の精舎にお住まい、息子さんはパオ Sayadaw のもと、メイミョウで修行中という、パオ一家です。

サヤレーですから、女性のカピヤが一人附いてきます

(私は 9戒なので、一人で行動しますが)。

そのカピヤから:

「私は喫素(菜食)です」

という連絡が来ました。

日本は菜食のレストランは少ないですから、外食はどこが良いか、今、WEBで調べています。

台湾人は、出家は勿論ですが、在家でも菜食の人多いですね。

台湾で、菜食の僧侶(大乗)が、小さな食堂で、ラーメンを注文するのを見た事がありますが、だし汁はお湯(豚骨とか鶏ガラはダメ)で、トッピングはサツマイモの葉でした。

歴史的な要因で中国、台湾の大乗仏教徒・信者(注)は菜食ですが、慣れればこれもよいものです・・・星雲師が運営する高雄仏光山に泊まった事があり、そこで朝食を頂きましたが、菜食でも、工夫を凝らしたメニューが多く、大変においしかったのを覚えています。中国上海の、某寺院の菜食コース料理は豪華絢爛、<蟹卵の玉子炒め>なんて、見た目は本物と遜色なし、お味は本物以上においしく、その場で絶句したのを覚えています。

あ、食べ物の話ではなく・・・

友あり、遠方より来る、また楽しからずや・・・法友なら、ダンマを語り合えますね・・・楽しみ倍増です。

(注)仏教徒とは四双八輩、ソータパナ以上の聖者比丘、比丘尼の事。ソータパナでない凡夫は信者。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

 

 

般若の独り言~武道と仏道

今、内田樹さんの著書を読んでいます。

以前も読んだことがありますが、再確認の意味で・・・。

彼はフランス思想・哲学研究の専門家で、武道家でもあります。

武道は合気道師範、大学(神戸女学院大学)を引退した後は、武道家に転身されました。

そして、彼は、仏道にも興味がある様です。

武道と仏道は相性がよい・・・中国の嵩山少林寺の武闘僧を見ても分かりますね。

武道にも仏道にも共通して必要なもの、それはサティ(正念)です。

常に、今ここにおいて、自分はどの様な状態であるか、ということを明白に知っておかねば、武道では敵にやられてしまいますし、仏道では己にやられてしまいます。

そしてサティは、潜在意識にも繋がっていますから、武道なら、身体が無意識に動かせるまで訓練しておかねば敵を倒せない、仏道なら、有分心に気がつかなければ、本来の自己に出会う事ができない(無我であるから、本来の自己はない、という正論、言葉のアヤは、ひとまず横において)。

内田先生は、神戸で寺子屋を開いているそうで、彼の

武道+仏道+フランス哲学の三位一体論を、一度、じかに聞いてみたいものだと思っています。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

般若の独り言~秋のバラ

もう仏教書の翻訳はしないので、朝はなるべく庭に出て、雑草取りなどしています。

そろそろ栗かな、と思って、庭の栗の木を見上げたら、まだまだ、イガが青い・・・と思ったら、足元に、栗が3、4粒・・・おっとっと、急いで拾って・・・一人前の栗ごはんなら、OKかも?

栗は、近所の農家直販店でも売っていて、自分の所が不作でも、どうってことないですが、今年は、<秋にもバラが咲く>事に気が付いて、それが嬉しい。

こちらに越してきて、8年。

庭の木々、菜園には農薬を使わず、もみ殻をせっせと撒き続けた所、ミミズが増えて、今年から、何を植えても、上手く育つ様になりました。

そして、バラが、秋にも大きな、澄んだ色の花を咲かせてくれる・・・さぁ、今年最後のバラを楽しんだら、冬の用意を始めましょう・・・バラがそう語りかけてくる様に思います。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

 

般若の独り言~もしばなカード

昨日、大分大学付属病院主催の「緩和ケア講演会」に参加してきました(県立図書館にて)。

緩和ケアの現実、現況の説明が聞けるか、と期待して行ったのですが、今回は、すでに 4回目に当たるため、

エンディングノートについて》が主題になっていました。

少し当てが外れて、がっかりしましたが、ワークショップで<もしばなカード>というゲームをして、これがとても楽しく、また有意義でした。

トランプかと見間違う様な、カードが 30枚くらい、裏に「痛みは避けたい」「安心したい」「本音を話せるやさしい医師にみてもらいたい」「尊厳を守りたい」などという、臨終の時の、自分の希望を表現する言葉が書かれていて、それをゲーム参加者に、手札として5枚くばり、途中で「この札はいらない(この言葉は必要ない)」と思った場合、別の札と交換します。

ゲームの状況設定は

【もしも、余命5か月と宣告されたならば、あなたはどのカードを選びますか?】

こうして、ポーカーの様に、手札を交換しながら、好みのものが集まる様にして、自分の気持ちを代弁してくれる札が 5枚、手元に残る様にします。

最後に締めとして、そこから、自分が重要でないと思う 2枚を捨てて、残りは3枚。

これが、臨終の時の己の希望、意思になる、というもの(あくまでゲームです)。

私は

1、意識がはっきりしていてほしい。

2、家族に葬式、お墓の話をしておきたい。

3、・・・

2 と 3 が似ていたので、3 の文章を忘れてしまいました・・・^^;

1の [意識がはっきりしていて欲しい]というのは、臨終の時、サティ(正念)を持って善趣に趣きたい、という事です。これは、僧侶としての最後の願い、矜持です。

驚いたのは、私が(1)選んだ理由を説明をした所、ゲーム参加者の中に、涙ぐんていた人がいた事です。彼女からは、人生の方向性を見極めたいのに、それを教えてくれる人に出会わないできたもどかしさを、感じました(注)。

己の生きざま、死にざま、生き方の方向性・・・老い、死を目の前にして慌てない様に、若い内から、考え、実践しておきたいものです。

注:私の説明は以下の通り:

「私の手元に[痛みがない様に]と[(臨終の時)意識がはっきりしていてほしい]という二枚のカードが来ました。どちらか一方を捨てなければならない、という状況が生まれましたので、[痛みがない様に]のカードを捨てました。臨終の時、きっと、身体は痛みます。その時、[痛みがない様に]と願うのではなく、痛みを受け入れつつ、意識は明晰でいられるなら、それがベター、またはベストだと、思うのです」。。。

長年、安般念でサティ(正念)を修習しても、ソータパナ以上の聖者になるのは至難ですが、正念は、臨終の時に必ず役に立つ。

長年の地道な努力は、最後に報われるのだ、と確信しています。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

 

 

Ven. U Puññānanda Sayadaw in 大分

【Ven. U Puññānanda Sayadaw(本雅難陀尊者) 

大分法話・瞑想会スケジュール】

来春、Ven. U Puññānanda Sayadaw が、台湾でのリトリート終了後、大分と東京を訪問して、法話・瞑想会を開いて下さる事になりました。

大分では、以下の様にスケジュールが、内定しました。

3月8日 法話・瞑想会

13:30~16:30 クワージュ温泉館多目的ホール

由布院駅徒歩5分)

3月9日 法話・瞑想会

13:30~16:30 湯布院福祉センター会議室

由布院駅徒歩5分)

3月11日 食事会(一品持ち寄り会)

10:30~14:30 湯布院福祉センター会議室

3月12日 移動日(東京へ)

12月初旬に、当ブログにて掲載されるポスター形式による告知をもって、正式・確定スケジュールとさせて頂きますが、現時点での内定事項をお知らせ致します(参加申し込み方法などは、12月初旬掲載予定のポスターをご参照下さい。)

尚、現時点で、ご一行の《台北→福岡》のフライトが未定です。諸般の事情にて、上記スケジュールの変更のありました場合、ご理解の程よろしくお願い致します。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

Ven. U Puññānanda Sayadaw in 台湾

本日、法友から、

Ven. U Puññānanda Sayadaw(本雅難陀尊者)の、

来年春(2月、3月)に、台湾にて実施されます禅修営

(=リトリート)について、そのポスターが、facebook で見ることが出来る、とお知らせ頂きました。

大変に素敵なポスターで、ここに転載したかったのですが、何分、方法が分かりません・・・^^;

ご興味のある方は、ご自分で、facebook を検索してみて下さい。

★一枚目

指導者=本雅難陀尊者

開催場所=台湾嘉義法雨道場

日時=2020年2月21日~28日

参加費無料

★二枚目

指導者=本雅難陀尊者

開催場所=台湾台南法行禅林

日時=2020年2月29日~3月6日

参加費無料

本雅難陀尊者は英語、中国語、韓国語堪能であり、インタビューをこれらの言語で受ける事が出来る方は、参加可能です(起床時間、作務参加、過午不食等、スケジュール/戒律厳守。申請時、使用言語確認の事)。

夜の中国語の法話に通訳はありませんので、中国語が理解できない人は、そのまま座禅堂に坐っているか、Sayadaw に許可を得て、クティに戻るかして下さい。

上記、台湾の二回のリトリート終了後、Sayadaw と比丘従者、カピヤの計三名は、3月7日、台北を出発して、大分に到着予定。

現在、有志の方々のご努力によって、大分と東京にて法話・瞑想会を開く準備がなされているのは、すでにお知らせの通りです。

以上、

Ven. U Puññānanda Sayadaw(本雅難陀尊者)の、

来春、台湾リトリートの情報、お知らせでした。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>