この段階において、あなたは、出入りする息の長短に対する覚知を、育成する必要がある。
ここでいう長短とは、寸法の長い短いを言うのではなくて、時間の長さを言う。
あなたは、どれくらいの時間なら「長い」といい、どこれくらい時間なら「短い」というのかを決めておかねばならない。
一回ごとの、息の出入りの長短を覚知する時、あなたは、出入りする息が、ある時は長く、ある時は短いことに気が付くであろう。
この段階においてあなたがなすべき事柄は、ただ単純に覚知を保持することだけである。もし黙念したいのであれば、「入る、出る、長い:入る、出る、短い」と黙念してはならず、ただ「入る、出る」とのみ、黙念するべきである。
一回の座禅の間、息が、その始まりから最後まで、長いという事もありえるし、その始まりから最後まで、短いという事もあり得るが、しかし、あなたは決して、故意に息を長くしたり、短くしたりしてはならない。
ある種の禅の修行者について言えば、禅相は、この段階で出現する。
しかしながら、もし、このように静かに息に、一時間ほど専注することができても、禅相が出現しないのであれば、あなたは、三番目の段階に進んでよい。
三、
「私は息の全身(=息の全体)を
覚知しながら息を吸う」、
彼はこのように修行する。
「私は息の全身(=息の全体)を
覚知しながら息を吐く」、
彼はこのように修行する。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>