No3. で少し触れましたが、実母は、私を産んだ後、母国台湾に帰ってしまい、私が10歳の頃、継母がやってきました。
継母でも、優しくて、継子と仲良く暮らす人はいる様ですが、我が家にやってきた人は、強気なタイプで・・・二度と妻を失いたくないと思った父が、彼女を溺愛し、恐妻家になってしまった為、それまで祖母を中心に楽しく暮らしていた家庭の雰囲気は、一気に暗転してしまいました。
ただ、私は、その逆縁を、己自身の諦観に変える事が出来たのは、我ながら、上出来だったと思います。
私は、継母との確執の中で、ゴータマ仏陀の言う四苦八苦、その中の<怨憎会苦>に気が付いたのです。
継母が悪い訳ではない・・・恨むなら、この家に生まれて、継母に会う縁を造った、己自身の無明を恨め・・・その時の小さな悟りは、後に、仏陀の《不受後有》という言葉によって、裏打ちされる事になりました。
私の、仏法への信頼の始まりです。