Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』5-5

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

四界分別観を修習する時、先に、この 12種類の性質を、逐一、識別する。

初心者については、通常、先に、比較的識別し易い性質を教え、その後に比較的難しいものを教える。

(+識別するのが)簡単なものから、難しいものの順序は:推進、硬さ、粗さ、重さ、支持性、柔らかさ、滑らかさ、軽さ、熱さ、冷たさ、流動性及び粘着性である。

この中の、どれか一種類の性質の観照を開始する時、先に、身体のどこかの箇所において、それを識別し、その後に、全身に拡大して、遍照する。

(5-6につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

翻訳『禅修指南』5‐4

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《四界分別観入門》

緬甸パオ(Pa-auk)禅林において指導されているのは、全身の四界を遍照する修習方法である。

それはすなわち、地界の硬さ、粗さ、重さ、柔らかさ、滑らかさ、軽さの六種類の性質;

水界の流動及び粘着という、二種類の性質;

火界の熱さ及び冷たさという、二種類の性質;

風界の、支持及び推進という、二種類の性質を、

識別する事を言う。

《法聚論》(Dhammasaṅgani)の中において記載されているのは、地界の六種類の特徴であり、それらのパーリ語の原文は:

硬さ(kakkalaṁ)、柔らかさ(mudukaṁ)、

滑らかさ(saṇhaṁ)、粗さ(pharusaṁ)、

重さ(garukaṁ)、軽さ(lahukaṁ)である。

流動性は水界の特徴で、粘着(abandhana)または接触(saṅghaṭṭanā)は、すなわち、水界の現起(現象)である。

熱さ(uṇha)及び冷たさ(sīta)は、火界の特徴である。

支持性(vitthambhana)は、風界の特徴であり、推進性(samudīraṇa)はすなわち、風界の作用である。

(5-5につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

翻訳『禅修指南』5‐3

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

次に、或いは、シャーリプトラ尊者が述べた如くの、身体の四つの部分において、四界を顕示する中に、如何なる有情も存在しない(+という事を知る)。

すなわち:『骨により、腱により、肉により、皮によって包まれている空間をもって色と言う』。彼は、それぞれの部分において、智の手でもって、それらを分別し、上に述べた方法でもって、それらを観察する、と決意しなければならない。すなわち:『この身において、堅(硬)性・・・安止定に到達することは出来ず、ただ近行定に到達するのみである。』(注17)

注17:原文は『漢訳南伝大蔵経』「中部経典」《象跡喩大経》を参考にした。

(5-4につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

翻訳『禅修指南』5‐2

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《清浄道論》(第11章)は、更に一歩踏み込んで、以下の様に解説している:

「故に、この業処を修習したい利慧者は、まず先に、静かな場所で独居し、己自身の、全色身に対して、以下の様に念慮する:

『この身の内において、堅性(硬性、硬さ)または固性(=塊性)なるものは地界であり、粘着性または流動性のものは水界であり、遍熟性または暖熱性のものは火界であり、支持性または推進性のものは風界である』。

彼は、数を数えるが如くに、『地界、水界、火界、風界』と念慮・作意し、また、観察しなければならない。

(+念慮する所の)その意味とはすなわち、それらは界に過ぎず、有情でもなければ、寿者(=命ある者)でもない、という事である。

この様に精進すれば、久しからずして、諸界の識別及び、諸界の区別によって生じた慧によって、強化された定が生起する。

自性法を所縁とするが故に、その定は、安止に到達する事は出来ず、近行定にのみ、到達する事が出来る。

(5-3につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

翻訳『禅修指南』5‐1

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

翻訳者よりお願い:本書『禅修指南』の順序に従って、《第四章 四界分別観》を翻訳致しますが、当該の章を読んだ後、四界分別観を、正師に付かずに、個人で修習するのは厳禁です。正師の毎日のインタビューもないまま、自己流で修習されて、偏差・禅病が生じた場合、自己責任とさせて頂きます。

第四章:四界分別観 

パーリ聖典の中に、四界分別観を修習する方法が、二種類記載されている。

すなわち:簡略法と詳細法である。

ここにおいて、読者に紹介するのは、利慧者(=智慧の鋭い者)に適合する簡略法と、簡略法を修習するのが困難な者へ解説する所の、詳細法である。

仏陀は《大念処経》(mahāsatipaṭṭhāna Sutta)の中において、以下の様に、簡略法を教えている:

「同様に、比丘たちよ。

比丘は、この身を観察するに、如何なる姿勢であっても、(+それらはすべて)諸界によって構成されているに過ぎない(+ことが分かる):

この身の中には、地界、水界、火界、風界がある。」(注16)

注16:《智慧の光》初篇では、《清浄道論》(第11章、節28)を根拠としている。

(5-2につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

翻訳『禅修指南』4‐32

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《相応部・蘊品・三摩地経 Samādhi Sutta、Khandhavagga、Saṁyutta Nikāya》の中において、仏陀は以下の様に言う:

「比丘たちよ。

あなた方は、定力を育成しなければならない。

比丘たちよ。

定力のある比丘は如実に諸法を知見する事ができる。

諸法の実相とは何か?

色の生と滅;

受・想・行の生と滅、識の生と滅である。」

定力のある比丘は、五蘊五蘊の因と縁、五蘊及びその因と縁の生と滅を、理解する事ができる。

彼は、はっきりと、以下のものを、透視する事ができる:

因と縁の生起により、初めて五蘊の生起があり、因縁の完全な消滅によって、五蘊は完全に消滅する。

上に解説した所の止禅の法門は、強くて力のある禅定を、生起せしめる事ができる。

まさに、禅定の光があるが故に、あなたは、観禅において、究極なる名色法を透視する修行ができるのである。

深く、強く、力のある禅定の支援があって初めて、あなたははっきりと、名色と、その因と縁の無常・苦・無我の本質を透視する事ができる。

この種の明晰な透視(+の力)は、止禅の法門が齎す大きな利益なのである。

その上、止禅は、あなたに一つの、休息の場を提供する。

観禅の修行をする時、あなたは、非常に多くの法を、識別しなければならない。

故に、疲労が発生する。

この種の状況の下、あなたは、長時間、各種あるジャーナの内の一つに、安住する事ができる。

この様にすれば、あなたの心は休息し、かつ活力を回復して、その後にまた、観禅の修行を続行することが出来る。

毎回、疲労を感じた時、あなたは何度も入禅して、休息する事ができる。

これより先、観禅の修行をする時、止禅のこれらの利益を覚えておく事は、(+修行者にとって)非常に有益なのである。

(5-1につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

翻訳『禅修指南』4‐31

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

慈心観は、瞋恨を取り除く最上の武器である;安般念は散乱を取り除く最上の武器である。

また、禅修行者の修行において、その信心(=自信・確信)が後退して、心内が暗くて鈍くなる時、仏随念を修行するのがよい。

禅修行者において悚懼感に欠ける時、かつ、修行に尽力するのを嫌気がさす時、彼は死随念の修行をするのがよい。

これまで、四梵住と四護衛禅の修行の方法を紹介した。次に、四界分別観と、各種の色法の分析から始めて、どの様にして、観禅を修行するのかを説明する。

先に止禅と観禅の関係性を説明する。

(4‐32につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さいhttp://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.htmll

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>