南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー51

(我々は)一たび(母胎より)生まれ出たならば、未来、

そして老い、病、死に関連するすべての事柄を心配し、怖れる。

実際は、老い、病、死がまだ来ていないのに、その前に苦を

感じている。というのも、我々は常にそれらを「私が」老いる、

「私が」病む、「私が」死ぬ、と見做しており、これらの状況

が実際に出現した時、苦痛は倍加される。

今、我々は無自覚的に死を恐れ、老いを恐れているが、それは、

我々が「老い」=「私」だと思うからである。

もし「我」「私」がないならば、一切の老い、病、死は何らの

意味をもたなくなる。故に、縁起の一回の流転は、満足しても、

不満足でも、または満足か不満足かを知らなくても、どれか一つ

にでも執着すれば、それがすなわち、苦である。(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)