南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー50

[老死]

老死とは何か?

老とは、髪の毛が白くなり、歯がグラグラする等、老いる事

と関係がある、すべての事柄を言い、官能が鈍る、なども含む。

死とは、諸蘊の離散をいい、身体が壊滅して息が絶える事。

人々に、縁起を理解できなくさせているのは、言語に問題がある。

普通の、一般の人々が使用しているのは日常用語であるが、

しかし、縁起の意味・真意は、日常用語で語られるものとは

異なる。

例えば、<生>の本当の意味は、自我の生起を言うのであって、

それは一種の感覚にすぎず、母胎から生まれ出る事とは、

関係がない。

もし、母胎からの出生を言うのであれば、一人の人間が

出生するのは、一回で完結する。

しかし、もう一つの出生、自我の出生・生起は、生まれ生まれて、

一日の内に、何度も生まれる。これは、すなわち、取、有ーー

「私」「我」という感覚が有るために、引き起こされた<生>

であり、一旦この種の生が生まれるやいなや、「母胎から生まれた

この身体」に対しての、執着が生まれる。

というのも、(我々は)身体が生まれ出た後に出会わなければ

ならない「一切」に対して、恐怖するが故に。

そして、これが<苦>である。

(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)