南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー69

縁起を、三世を貫通するものとして説明するのは、完全に

間違っている。というのも、そのような説明は、現実の修行に

生かせないから、である。

修行に生かせない理由は、因が前世にあり、果が今世にあると

いう言い方・・・もし、因が前世、果が今世にあるならば、

人生に起こる問題を、解決する事は決して、できない!

もし、今世の因が、来世の果をもたらすならば、愚か者が

夢の中で素敵なものを手に入れたと喜ぶ以外、人々に

何の利益を、もたらす事ができるだろうか?

それに、三世の解釈は、「法」の基準とも合わない。

すなわち、「直接体験し、今すぐに成果を得ることができる。

皆、来たりて、みるがよい。内に向かって観照し、智者自ら、

体験し実証せよ」(と仏陀が述べた事と合わない)。

それは常見の霊魂または自我(の存在)を言うが、全く益の

ない事であり、修行に利用する事ができない。

故に、我々は、このような知見と概念を手放し、原始パーリ

経典に戻ろうではないか!

これらの原始のパーリの経文は、文字(文脈)の上からも、

意義の上からも、正しいのである。(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)