南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

★「目の中の塵」(翻訳文)2-1

第二章 演劇

シェークスピアは言う:

「世間とは、すなわち、一個の舞台であり、男性と女性はみな、俳優である。」

仏陀もまた、シェークスピアのこの言葉に、賛成するに違いない!

我々は、シェークスピアのこの言い方を多少推し進めて、仮に我々が、重要な主役を演じている知名な女優であると、仮定してみよう。

(+この女優は)ある時には「真夏の夜の夢」の王妃を演じ、ある時には「マクベス」の中のマクベスの妻を演じるかもしれず、また、なるべく、それぞれの役を、上手に演じたいものだ、と思うに違いない。

舞台に上がる前、我々は、楽屋で服を着替え、その後に、全力を上げて、己のセリフを朗読する。

成功したならば、我々は耳をつんざく拍手の音を聞くことになり、非常に嬉しく思うことであろう。

しかし、我々は楽屋に戻って、普段の洋服に着替えると、家に帰る。その後では、我々はもう、己自身をマクベスの妻だと思う事もないし、「真夏の夜の夢」の中の王妃だと思う事もない。

そうではないか?

結局、我々は、家に戻り、また己自身に戻るのである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(2-2につづく)

★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>まで。

ご協力、よろしくお願いいたします。

<ケーマ尼著「「目の中の塵」中国語→日本語

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>