第二章 演劇
シェークスピアは言う:
「世間とは、すなわち、一個の舞台であり、男性と女性はみな、俳優である。」
仏陀もまた、シェークスピアのこの言葉に、賛成するに違いない!
我々は、シェークスピアのこの言い方を多少推し進めて、仮に我々が、重要な主役を演じている知名な女優であると、仮定してみよう。
(+この女優は)ある時には「真夏の夜の夢」の王妃を演じ、ある時には「マクベス」の中のマクベスの妻を演じるかもしれず、また、なるべく、それぞれの役を、上手に演じたいものだ、と思うに違いない。
舞台に上がる前、我々は、楽屋で服を着替え、その後に、全力を上げて、己のセリフを朗読する。
成功したならば、我々は耳をつんざく拍手の音を聞くことになり、非常に嬉しく思うことであろう。
しかし、我々は楽屋に戻って、普段の洋服に着替えると、家に帰る。その後では、我々はもう、己自身をマクベスの妻だと思う事もないし、「真夏の夜の夢」の中の王妃だと思う事もない。
そうではないか?
結局、我々は、家に戻り、また己自身に戻るのである。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(2-2につづく)
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<ケーマ尼著「「目の中の塵」中国語→日本語
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>