「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)5-13
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
メーチ・ケーウは、注意力を己の内部に向け、意識の正常な流動を停止し、心の真正なる核心ーー覚知の根源ーーに証入するように、と決意した。
みぞおちの真ん中当たりに、彼女は玄妙で、広くて果てしのない空間ーー覚知の、微妙で無形なる本性を、体験した。
彼女が、己の内部に向けて専注した時、突然、専注する事を忘れ、全きの静けさの中の入った。
そこは一念さえも生じず、一切は、空寂であった。
心身が大いなる自然の状態にあり、すべての対象・・・彼女の身体を含めて、そのすべてが影形、跡形もなく、消え失せてしまった。
彼女の心だけが、この純然とした静止の境界の中で、何時間も安住しつづけたのである。
彼女の心が、深い定から出て来るや否や、意識の微細なる波動ーー最初は全く察知され得なかったーーが、心の核心から外部に流れ出し始め、中心から離れた。
この意識の勢いが増したとき、彼女は、心をして外部に注意するように、外部の認知に向かうように駆動せしめる、一種力のある、かつ緊迫した督促を察知した。
(5-14につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。
<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>