Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵のひとやすみ~21>宗教の焼け野原

最近、日本の人と話していて(私は、日本生まれの台湾人です)、日本人の<宗教的資質>について、考え込んでしまいました。

日本人は年始年末には神社へ行き、結婚式は教会で、死んだらお葬式は仏式で・・・。別に大学に行かなくてもいいけれど、ご自分で「宗教概論」くらい読まないのだろうか・・・、読まないのでしょうねぇ。

以前、オ〇ム事件の時、皆さんこぞって「理科系の優秀な人があのような教団に入って!」と批判していましたが、私は、理科系の優秀な人だからこそ、オ〇ムに入ったのだと思います。結果的にはあの教団は、邪教の道に進んでしまいましたが、人間とは何か?宇宙とは何か?を問い詰めていけば、素粒子物理に行き当たり、そしてそれはブッダ・サーサナ(仏陀の教え)そのもの、でもあるから、元々、物理学者と仏教は親和性があるのです。それを知らずに安易に批判する僧侶や知識人、宗教に関してよっぽど無知だと、私は、言いたい(アインシュタインは<仏教は正しい。私は仏教徒になりたい>と言ったそうです)。

神社と教会とお寺の区別がつかない日本人の宗教的混乱が、人生の本質を見極めようとした優秀な理科系の若者を追い詰めた、とも言えます。

今も、私の、テラワーダ(南伝仏教)を学ぶ若い法友たちは、親とは、決して宗教の話はしない、のだそうです(思想面で親子断絶していて、第二のオ〇ム事件が起きなければいいですけど)。

第二次世界大戦中、神道の竹やり精神でアメリカと戦って敗けた日本の宗教は、今だに、一面の焼け野原。

荒涼として怖いくらいです。

(ちなみに、最近台湾では四世代、一族20人が一斉に、テラワーダで一時出家して比丘(又は沙弥)になった、というニュースを見ました。台湾は九州くらいの小さな島国ですが、宗教的精神は健在です)。