Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵のひとやすみ~己が己の教師

タイの修行僧アーチャン・マンの自伝を読んでいたら、「己は己の教師」という言葉に出会いました。

仏陀の時代、まだアビダルマは完成していなかっただろう(伝説では、仏陀が天界で説法したのがアビダルマで、それは非常に難しかったので、シャーリプトラだけが理解し、人間界では、シャーリプトラが解説を請け負った、ということになっている。アビダルマの正確な成立時期は、印哲の学者さん達が研究していると思われる)。

タイの阿羅漢と言われたアーチャン・チャー(アーチャン・マンの弟子)は、在家居士に「どのような経典を読めばよいでしょうか?」と問われた時、だまって胸を指差した、、、「経典は、あなたの心に中にある」という訳ですね。

そして、アーチャン・カオ、アーチャン・マン、アーチャン・チャー、アーチャン・マハーブーワの系列の修行僧たちは、恐怖心と戦うために、否、恐怖心とは何か、自我とは何かを知るために、荒野に一人出て、修行したのである、その時、経典や解説書を手に持っていたとは思われない。

機が熟すと、あなたにとっての善知識は、必ず現れると言われるけれども、最後の最後は結局、己の師は、己ではないでしょうか?