<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
マハーナーラタ伝
一人の、名を英加帝という、よい国王がいた。
国王には一人娘がいたが、名をルチャーと言った。
ルチャーは、非常に美しい王女で、アーナンダの過去生であった。
国王は王女を可愛がり、よく花篭を、ルチャー姫に贈った。
ルチャー姫の随従たちが、その花を花飾りにして、ルチャー姫の身に飾った。
国王はまた、よく美しい絹を王女に贈り、彼女に毎日、異なる服装をするように要求した。
ルチャー王女と国王の関係は、非常によいものであった。
国王は、国家を統治することに長けていて、故に人民は安居し、仕事に励み、国家は安泰であった。
ある年の10月15日、国王と群臣は、新月の美しい夜に、何が人生の楽しみかという議題について、議論をしていた。
その中の一人が、智慧のある修行者を訪ねて、その修行者に、我々の疑問を解いてもらおうではないか、と提案した。
皆が同意したので、国王は、群臣を連れて、当時、有名であったウクナ裸体外道に、会いに行った。
裸体外道が服を着ないのは、己はすでに、何等の煩悩もない修行者であるが故に、心は非常に清浄であり、服を着なくてもよいのだという風に言った。
また、あれら服を必要としている人々は、心が不清浄であるが故に、衣類を必要としているのだ、と主張した。
国王と群臣が、ウクナの所に来たとき、そこにはすでに、多くの求法の信者たちがいた。
国王の番が来た時、国王は恭しくウクナに挨拶をし、以下の問題を問うた:
一、子女は、どのように、父母に対応するべきか?どのようにすれば、よき子女と言えるか?
二、弟子(師弟)は、師長に対して、どのような態度で対応するのが、よい弟子であるか?
三、一家の主は、どのように妻、子に対応するべきか?彼らに対して、どのような態度で対応するのが、よい夫であり、よい父親であるか?
四、国王として、名君でありたいならば、ど
のように大臣に対応し、大臣を指導するべきか?
五、どのような法を修習すれば、衆生は、善趣に往生することができるか?
六、どのような不如法なる事をすると、人は地獄へ落ちるのか?
国王が訊ねたのは、どれも非常によい質問であった。
しかし、この質問は、ウクナにとっては、非常に難しい問題であった・・・というのも、彼はこの種の問題を考えた事がなかったし、この方面の知識もなかったからである。
ウクナは、何を聞かれても、答えることができなかったが、しかし、彼のような、非常に有名な人間は、「私は知らない」などと言えるはずがなく、彼は仕方なく、定命論(=宿命論)でもって答えた。
(2-18につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<《基礎発趣論(業縁と果報縁)》 中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>