Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#27-1

問答(二)

問2-1:初心者は、如何にして定根と慧根をバランスすればよいのか?如何にして入出息念でもって智慧を修行するのか?

答2-1:一回目の法話の中において、我々は、すでに、五根をバランスする方法を述べたが、しかし、ここにおいてもまた、再度簡潔に解説する。

初心者にとって、定と慧をバランスする事は、特別重要としない。というのも、かれらは初心者であり、五根はいまだ、育成されていないが故に。

禅の修行を始めたばかりの時、通常、内心には多くの妄想がある。故に、五根は、いまだ強くなく力も無い。唯一、それらが強くて力のある時にのみ、初めてそれらをバランスする必要が生じてくる。

しかし、もし、初心者が、修行の始まりの段階において、五根をバランスする事ができるのであれば、それは当然、良い事である。

例を挙げて説明するならば、あなたは、今まさに入出息念の修習をしている。入出息念は呼吸に対する正念であり、呼吸を覚知するは慧(Pañña)である。呼吸に専念するのは念(sati)であり、一心に、呼吸に専注するのは定(samādhi)である。

呼吸を明晰に覚知せんとして努力するのは、精進(vīriya)であり、入出息念がジャーナに向かわせる事ができると信じるのは、信(saddhā)である。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>