Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』49-14

四念処を修習する時、我々は、五根(pañcindriyāni)<注424>もまた、備えておかねばならない。すなわち:

1)信(saddhā):我々は、仏陀及びその教法に対して充分に強い信仰(信じて敬う)事が必要である。

2)精進(vīriya):我々は、充分に強力な精進を実践しなければならない。

3)念(sati):我々は、禅修行の所縁に対して、充分に強い正念を擁しなければならない。止の修習の所縁に関しては、それは、入出息禅相または遍相などの単一の目標でなければならない。観の修習の所縁に関しては、それは名法、色法およびその因のみでなければならない。

4)定(samādhi):我々は止と観の所縁に対して、充分に強力な専注力がなければならない。

5)慧(Paññā):我々は止と観の所縁に対して、充分な了知を擁しなければならない。

この五根は、禅修行者の心を制御し、これをして、涅槃に向かって導く所の、八支聖道から離れない様にする。

もし、この五根の内のどれか一根でも欠けるならば、あなたは、目標に到達することが出来ないし、あなたの心をコントロールする事も出来ない。この五根は、あなたの心をコントロールする力を有し、心をして、禅修行の所縁から離れない様にする。この種の力を心志力(bala)と言う。

心志力の角度から見て、五根は五力(Pañca Balāni)とも言う。

四念処以外に、七覚支(Satta Bojjhaṅgā)もまた非常に重要である。それらは:

1)念(sati)。

2)択法(dhammavicaya)、すなわち、観智。

3)精進(vīriya)。

4)喜(pīti)。

5)軽安(passaddhi)。

6)定(samādhi)。

7)捨(upekkhā)。

最後は、八支聖道(Ariyo Aṭṭhaṅgiko Maggo)である。

1)正見(Sammā-diṭṭhi)。

2)正思惟(Sammā-saṅkappa)。

3)正語(sammā-vācā)。

4)正業(Sammā-kammanta)。

5)正命(Sammā-Ājīva)。

6)正精進(Sammā-vāyāma)。

7)正念(Sammā-sati)。

8)正定(Sammā-samādhi)。

言い換えれば、これらは、戒(sīla)、定(samādhi)、慧(Paññā)の三学である。我々は、系統的にこの三学を修行しなければならない。

これらを纏めると、37菩提分法(bodhipakkiya-dhamma)になる。

仏陀は、彼の弟子が、阿羅漢果を証悟するまで、これらを研鑽、学習し、実践するのを期待、希望した。

もし、この様に実践するならば、我々は、この遺産を後の代の人々に伝承したことになる。

この様であれば、我々と後の代の人々は、涅槃を証悟するまで、この世間において、利益と楽しさを獲得することができる。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>