南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#27-3

精進が強すぎる時、それは、心をして躁動不安にならしめて、その結果、その他の諸々の根が弱くなり、かつ、適切に運用するのが難しくなる。念が弱くなる時、あなたは、何事も実践できなくなる、というのも、あなたは呼吸に専注する事が出来ないし、呼吸を識別する為の精進は減退して、消失してしまう事もあり、同時にまた、信心(=確信)が失われてしまう。

あなた今、まさに止を修行している。

止禅に関しては、強くて力のある定はよいものである。しかし、過度の定は、怠惰を引き起こす。怠惰が原因で、その他の諸々の根もまた弱くなってしまい、結果、適切な運用ができなくなる。

初心者の段階においては、智慧はまだ鈍くて劣っていて、ただ、自然の呼吸を知ることができるだけである。

故に、今現在、止禅を修習する最中の初心者にとっては、ただ、明晰に呼吸を知覚できるだけで充分である。

取相または似相が出現したならば、智慧が、取相または似相を覚知する。

また、多すぎる知識、学問(を擁する事)は、良い事ではない、というのも、あなたは、討論や批評ばかりする様になるが故に。

もし、禅修行者が、入出息念に対して、多くの討論や批評をする時、我々は、彼の慧根は過度であると言い、この場合もまた、その他の諸々の根を弱くしてしまい、かつ、適切に運用する事ができなくなってしまう。

こういうことから、初心者にとって、5根のバランスがそれほど重要ではないとは言っても、しかし、バランスを保持できる事は良い事である。

如何にしてバランスを保つのか?

我々は、強くて力のある正念でもって、明晰に呼吸を覚知し、かつ、大いなる確信をって、呼吸に専注しなければならない。

<翻訳文責:緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>