南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#27-4

問2-2:第四禅に到達した後、なぜ、我々は、直接五蘊観照して、それらの無常・苦・無我の本質を透視し、涅槃を証悟しようとしないのか?

涅槃を証悟する前、我々はなぜ、32身分、白骨想、白遍、四界差別、色業処、名業処、縁起と観禅を修行しなければならないのか?

答2-2:仏陀は、三種類の人間に五蘊に関する修観の方法を指導した:それは利慧者、名法の観智がいまだ明晰でない者、簡略法が好きな修観者、である。

五蘊とは何か?

五蘊と名色の間には、どの様な違いがあるのか?

あなたはどの様に答えますか?

二番目の問題に解答する前に、我々は、先に名色と五蘊について、説明をしたいと思う。

四種類の勝義諦(paramattha sacca)がある:

心(citta)、心所(cetasika)、色(rūpa)と涅槃(nibbāna)である。

第四番目の勝義諦ーー涅槃をを証悟する為に、我々は、その他の三者の無常・苦・無我の本質を見る必要がある、すなわち、以下のものを見なければならない:<注117>

1)89種類の心(viññāṇa)

2)52種類の心所(cetasika)

3)28種類の色(rūpa<注118>

89種類の心は、識蘊(viññāṇakkhandha)と言う。52種類の心所に関しては、

受は受蘊(vedanākkhandha)、

想は想蘊(saṅkhārakkhandha)、

その他残りの、50心所は行蘊(saṅkhārakkhandha)である。

ある時には、心と心所は、合わせて「名」(nāma)と呼ばれ、ある時には、四つの蘊に細分される:受蘊、想蘊、行蘊と識蘊である。

この四蘊は、総合して名蘊(nāmakkhandha)と呼ばれる;

色蘊(rūpakkhandha)は28種類の色の事である。

心、心所と色を合わせて名色と言う(nāmarūpa)が、ある時には、また、五蘊とも言う:色、受、想、行、識である。それらの因は、名色にすぎない。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>