南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』9-37(210/520)

     <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

結生想蘊:

五個の過去因:

1、無明(20)は因、結生想蘊は果。

2、愛(20)は因、結生想蘊は果。

3、取(20)は因、結生想蘊は果。

4、行(34)は因、結生想蘊は果。

5、業(34)の業力は因、結生想蘊は果。

三個の現在因:

6、依処(30)は因、結生想蘊は果。

7、目標(所縁)は因、結生想蘊は果。

8、触(34-受=33)は因、結生想蘊は果。

 結生行蘊

(一番目の解説法、思を行蘊とする):

五個の過去因:

1、無明(20)は因、結生行蘊は果。

2、愛(20)は因、結生行蘊は果。

3、取(20)は因、結生行蘊は果。

4、行(34)は因、結生行蘊は果。

5、業(34)の業力は因、結生行蘊は果。

三個の現在因:

6、依処(30)は因、結生行蘊は果。

7、目標(所縁)は因、結生行蘊は果。

8、触(34-思=33)は因、結生行蘊は果。

(この一番目の解説方法では、最も顕著な思のみを。行蘊とする)

結生行蘊

(二番目の解説法、その他の31心所):

一番目から七番目の因は、第一番目の説明方法と同じ。

 8、その他の三名蘊は因、結生行蘊は果。

註:

結生 34名法から、受、想と識を除くと、残りは 

31となり、触と思が最も顕著な心所は果、すなわち、行蘊となる。

もし、それの因を追尋するならば、その他の三名蘊は、それの近因(sesakkhandhattya padaṭṭhāna)となる。

それらは、最も接近している所の因である。

二番目の方法でもって識別の修習をするのは、すべての因果を識別したいが為である。

この様にするのは、以下の様に質問する人がいるからである:

「もし、触が名蘊の因であれば、触または行蘊と呼ばれる所の、その他の心所は、無因であるのか?」

その他の行蘊の分析方法はまた、斯くの如くである事を、理解するべきである。

結生識蘊:

五個の過去因:

1、無明(20)は因、結生識蘊は果。

2、愛(20)は因、結生識蘊は果。

3、取(20)は因、結生識蘊は果。

4、行(34)は因、結生識蘊は果。

5、業(34)の業力は因、結生識蘊は果。

一個の現在因:

6、名色は因、結生識蘊は果。

 註:

「名」は、識と同じ、一個の心識刹那の中において生起する所の心所を言う。結生心の中において、それはすなわち、結生識と同時に生起する所の33個の所縁を指す。

もし、禅修行者の結生心が、捨俱である時、喜は含まれない為、名は32個の心所となる。

「色」とは、依処色と所縁色を言う。

結生心の目標は業または業相、または趣相の三者の内の一である為、もしそれが色所縁(rūparammaṇa)である場合、色所縁は

すなわち、所縁色(ārammmaṇa rūpa)となる:

もし、それが。声(=音)所縁である場合、声所縁は、すなわち、所縁色となる。

以下の様に教えもある:

’nāmarūpa samudayā  viññāṇa samudayo ’

その意味はすなわち、「名色が生起するが故に、識が生起する」

また別の教えもある。

’viññāṇa paccayā ñānarūpa

その意味はすなわち、「識が名色を引き起こす」

故に、識と名色は相互に支え合っている事に注意を払う事。

「名色が識を引き起こす」の因果関係を識別した後、禅修行者は、必ずや、因果を識別しなければならない。

これらの解釈に基づけば、「依処、目標と触」と言われるものと、「名色」の因は、異なった名称を持つが、しかし、究極界においては、それらは同一のものなのである。

(識別:名色が生起するが故に、結生識蘊は生起する;

名色は因、結生識蘊は果。)

結生心の後、15または16回の有分心が生起する。その後、心路過程の生起が開始される。

それらは意門転向と七回の「欲貪有速行」(bhava nikantika lobha javana)である。

有分心の刹那において、例えば、一番目の有分心の時、心生色と時節生色は生起する。

経典の中において教えているのは、時節生色は、結生心の住時(ṭhiti)において、その生起を開始する事である。

母親が食べ物を食べて、胎盤に運ばれた時、食生色は、その生起を開始する。

故に、結生心の後に生起する所の有分五蘊を識別しようとするならば、色蘊の中において、二種類の、現在因果の色法を、何度も識別しなければならない。

1、心が生起するが故に、心生色が生起する;

心は因、心生色は果。

2、時節が生起するが故に、時節生色が生起する;

時節は因、時節生色は果。

 有分四名蘊と結生名蘊の識別方法は同じである。

次に、結生心の後に生起する所の、意門転向五蘊と、速行五蘊の、因果の連貫を識別する方法を、解説する。

(9-38につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>