<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
お寺に戻ると、メーチ・ケーウは、皆が自分のことを、心配しているのを知った。
彼女は、先ほど自分の身に起きたばかりの出来事を話すと、メーチ・タン・・・女性出家者の中の上席の者が、メーチ・ケーウを𠮟って言った:
「どうして夫の元へ戻る必要がある?
あなたは自分で、蜂の巣に手を入れてつつき、自分で煩悩を増やしているだけ。
これをよくよく教訓にして、もう火の中に、手を突っ込んだりしない事。
たとえあなた自身は火傷しなくても、あなたの名節は、地に落ちるわよ。」
メーチ・ケーウは、もはやこれまでと、布麻とは一刀両断しようとしたが、何人かの兄たちが、彼女に対して、正式に問題を解決するべきだと主張した。
彼女は兄たちの意見を受け入れ、何日かの後に家に戻り、婚姻関係をどのように幕引きするのかを、布麻と相談した。
布麻は一切の妥協の余地なく、結婚した後に築いたすべての財産は彼のもので、彼女の実家が彼女に持たせたものを、どのように処理するのか、だけが問題だ、と言った。
この点に関して、メーチ・ケーウは何等の異議を申し立てる事もなく、却って彼に感謝したくらいであった。
というのも、己はすでに落飾して出家しており、世間も財産も、取るに足りない糞土のように思えたから。
彼女は、ビンロウを切る為に使っていた小刀以外、何もいらない、と言ったが、これほど小さな品物でも、布麻は:
あの小刀は結婚してから手に入れたものだから、俺のものだ、と反論した。
メーチ・ケーウは最後の小さな望みも諦めて、世俗の生活を遠離し、世間の一切合切を捨て、一切無所有の身となった。
(4-14につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>