Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」6-1

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

第五章 布施修福篇

1、

問:南伝在家居士にはどのような福の修し方がありますか?

答:南伝仏教には多くの福の修し方があるが、《アビダンマッタサンガハ》では、10種類の福業事(puññakiriyavatthu、修福の対象、基礎)が提案されている。

布施(dāna)、持戒(sīla)

禅修(bhāvanā)、恭敬(apacāyana)、

奉仕(veyyāvacca)、回向(pattidāna)、

随喜(pattānumodana)、聞法(dhammasavana)、

説法(dhammadesanā)、見正直業(diṭṭhijjukamma)

2、

問:比丘尊者の方々にはどのような戒規がありますか?

答:比丘の波提木叉(pātimokkha)には227条の戒がある。それぞれ:

他勝(pārājika、打ち負かされるの意)

僧初余(saṅghādisesa、僧初残)、

不定法(aniyata)、

捨心堕(nissaggiya pācittiya)、

心堕落(pacittiya)、

応悔過(pāṭidesanīya、対説)、

衆学法(sekhiya)、

滅諍法(adhikaraṇasamatha dhamma)の八つの部分で構成される。

この227条の戒は、比丘の基本的戒に過ぎず、比丘たちは、また別に犍度篇(khandhaka)のすべての生活規約を守らねばならない。これらは22犍度を含む。

(6-2につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」5-31

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

23、

問:父母が許可しない場合、出家できないというのは本当ですか?

答:仏陀は《律蔵》の中で、以下の様に規定している:

「比丘たちよ。

父母が同意しないならば、その子を出家させてはならない」

註釈書では、もし、父母がいまだ在世である場合、父母双方の許可を得る必要がある。

また、もし、幼少の頃より父母が存命せず、叔母などの親戚が育てた場合、叔母等の許可を得てから、出家するべきである、と言う。

しかしながら《法句経》の註釈書の中で、シャーリープトラ尊者の一番小さい七歳の弟が、出家して、阿羅漢を証得した時の話が載っている。

シャーリプトラ尊者が、八億七千万の財産を放棄して出家した後、彼の三人の妹と、二人の弟も出家した為、後に残ったのは弟のレワタ一人であった。

彼の母親は思った:「私が子Upatissa(シャーリプトラ)が出家した後、三人の妹、二人の弟も出家してしまい、残ったのはレワタ一人になってしまった。

もし、彼も出家してしまったならば、将来、我が家の財産は、公のものになってしまうし、家系も途絶えてしまう。

私は、彼が小さい内から結婚させて、家に残そう。」

シャーリープトラ長老はこの事を予知すると、先にレワタの出家を受け入れてくれる寺院を見つけ、その寺院の比丘たちに言った:

「賢友たちよ。

もし、レワタが来て、出家を願ったならば、彼を出家させて頂きたい!

私の父母は邪見者であり、彼らに許可を得ようとしても無駄なのである!

私が彼の父母なのです。」

その後、レワタは結婚式の行き返りに智慧を絞って逃げ出し、出家を企て、まさにその寺院に行って出家したのである。

親が探しに来るのを憂いた年少の彼は、比丘たちから、阿羅漢の業処を教えて貰った後、一人で、30由旬(一由旬は16kmまたは12km)離れた森に行き、その森の中で三か月の雨安居を過ごした時、無礙解智を具備した阿羅漢になった。

この先例があるため、南伝仏教の伝統では、もし、父母が仏教徒ではない場合で、出家したいと願う時は、父母の許可を得なくともよい事になっている;

ある種のサンガは、出家希望者に一対の義理の仏教徒の父母を認め、義理の父母の同意を得た後であれば、サンガは彼の出家を受け入れる。

(6-1につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」5-30

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

22、

問:出家できない人々、というのはどのような人の事ですか?

答:

《律蔵》において、仏陀は、ある種の人々は出家できないと規定した。

ハンセン病疥癬病、肺結核患者、精神病、過去に(比丘であった時に)四根本を犯した者、パンダカ(注1)、両(性)根者、賊住者、かつて出家して現在は外道に流入した者、畜生、母殺し、父殺し、阿羅漢殺し、サンガ和合破壊者、悪心でもって仏の身体から血を流させた者、比丘尼を淫汚した者、王の臣(国家公務員)、盗賊、脱獄した盗賊、起訴された盗賊、鞭打ち刑の者、烙印刑の者、負債者、奴婢、父母の許さない者、断手者、断足者、断手足者、耳切断者、鼻切断者、耳鼻切断者、指切断者、親指切断者、足腱切断者、手が蛇頭のように固まっている者・・・半身不随者、老年で無力者、盲人、聾唖者等32種類の人々。

この内、負債者は負債を返済すればよく、王の臣は、自由の身分なれば出家でき、また、父母の許可のない者は、父母が許可すれば出家できる。

32種類の人々は、もし出家したならば、人に笑われるとして、仏陀は許可しなかったのである。

(注1)パンダカとは、5種類の性的に問題のある男性の事。流精パンダカ、羨慕パンダカ、閹割パンダカ、半月パンダカ、不男不女パンダカの5である。

(5-31につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

 

 

 

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」5-29

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

比丘尼を淫汚する者であって、その内の欲楽は、非梵行として理解する。

(沙弥が違反して)非梵行者になった場合、未来において(+戒を)守護し、(+出家したいと)思うならば、(+未来において)帰依や具足戒を受けることはできる。

しかし、比丘尼を淫汚した者は、未来において守護したいと思っても、出家することはできないし、況してや、具足戒を受ける事は決してできないのである!

これが『比丘尼を淫汚した者』の義(=意味・内容)である。

以上は、10支それぞれに分けて説明をした事を知るべきである。

(5-30につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」5-28

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

誹謗については、仮にたとえば『阿羅漢、正自覚者』などに相反する(方式によって)仏を誹謗する時;

『善説』などに相反する(方式によって)法を誹謗する時;

『善行道者』などに相反する(方式によって)サンガを誹謗する時。

(サーマネラが)三宝を誹謗し、批判し、非難する時、彼の指導者、戒師などは:

『このように言ってはならない』

という言い方で以て、誹謗の過失を顕示して、それを、止めなければならない。

《Kurundī註》においては、『三度勧告しても止めない場合、障礙滅擯によって滅擯すべし』と言う。

大義註(Mahā-aṭṭhakathā)》では、『勧告した時に、彼が当該の邪執を捨て去り、処罰を受けた後、過失を懺悔させる。もし、彼が邪執を捨てず、引き続き執持、堅持、住立するのであれば、形相滅擯によって滅擯するべきである』と言う。

上に述べた説は適切である。

この種の滅擯は、ここの趣旨に合致する。

邪見の者も、同じ方式で滅擯する。

常見、断見などの内の一つの邪見を持つ者で、もし彼が指導者の指導を通して捨棄するならば、処罰した後に過失を懺悔させる;

もし捨棄しないのであれば、滅擯が適当である。

(5-29につづく)

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「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」5-27

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

しかしながら、もし、彼が迅速に『私は悪行を行いました』と間違いを認め、引き続き(+戒を)守護する事を申し出るならば、形相滅擯は行わない。

不与取に関しては、草の先のような少量のものを(偸盗)しても(+滅擯であり);

また非梵行について、三道における、どの様なな行淫であっても(同上);

虚言妄語、たとえそれが、遊び半分の虚言であっても、サーマネラに相応しくない為、滅擯されるべきである。

飲酒については、比丘はそれが酒(種が放置された後酒になったもの)であると知らずに飲んでも、心堕落(pācittiya)となるが;

サーマネラは、これは酒であると、明確に知っていて飲んだ場合のみ、破戒となり、(+それが酒であると)知らなかった時は、破戒とはならない。

その他の、後五学処を破った場合は、(当該の五学処破壊に関しては)滅擯ではなく、処罰とする。

処罰は、学処そのものとは関係がなく、処罰によって懲罰して、未来において、彼が(+戒を)守護できるようになればよい。

(5-28につづく)

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中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」5-26

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

故に、殺生などの一項目を違反しただけであっても、形相滅擯として、彼を滅擯しなければならない。

殺生等については、比丘は異なる罪となる。

しかし、サーマネラ(=沙弥)はそうではない。

サーマネラは、蟻、赤蟻を殺しただけでも、または魚卵(maṅguraṇḍka)をやぶっただけでも、充分に滅擯となる。

この状況の下においては、彼の帰依(の儀式を執り行った)戒師、及び居住する住居は、すべて失効し失う事となり、サンガの所得(=人々からのサンガへの布施)を得る(受用)事はできなくなる。

彼に残されるのは、唯一、(出家の)外観だけである。

もし彼が何度も再犯し、未来においても、戒を守らないようであれば、(サンガから)追放するのが妥当である。

(5-27につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>