南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」5-31

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

23、

問:父母が許可しない場合、出家できないというのは本当ですか?

答:仏陀は《律蔵》の中で、以下の様に規定している:

「比丘たちよ。

父母が同意しないならば、その子を出家させてはならない」

註釈書では、もし、父母がいまだ在世である場合、父母双方の許可を得る必要がある。

また、もし、幼少の頃より父母が存命せず、叔母などの親戚が育てた場合、叔母等の許可を得てから、出家するべきである、と言う。

しかしながら《法句経》の註釈書の中で、シャーリープトラ尊者の一番小さい七歳の弟が、出家して、阿羅漢を証得した時の話が載っている。

シャーリプトラ尊者が、八億七千万の財産を放棄して出家した後、彼の三人の妹と、二人の弟も出家した為、後に残ったのは弟のレワタ一人であった。

彼の母親は思った:「私が子Upatissa(シャーリプトラ)が出家した後、三人の妹、二人の弟も出家してしまい、残ったのはレワタ一人になってしまった。

もし、彼も出家してしまったならば、将来、我が家の財産は、公のものになってしまうし、家系も途絶えてしまう。

私は、彼が小さい内から結婚させて、家に残そう。」

シャーリープトラ長老はこの事を予知すると、先にレワタの出家を受け入れてくれる寺院を見つけ、その寺院の比丘たちに言った:

「賢友たちよ。

もし、レワタが来て、出家を願ったならば、彼を出家させて頂きたい!

私の父母は邪見者であり、彼らに許可を得ようとしても無駄なのである!

私が彼の父母なのです。」

その後、レワタは結婚式の行き返りに智慧を絞って逃げ出し、出家を企て、まさにその寺院に行って出家したのである。

親が探しに来るのを憂いた年少の彼は、比丘たちから、阿羅漢の業処を教えて貰った後、一人で、30由旬(一由旬は16kmまたは12km)離れた森に行き、その森の中で三か月の雨安居を過ごした時、無礙解智を具備した阿羅漢になった。

この先例があるため、南伝仏教の伝統では、もし、父母が仏教徒ではない場合で、出家したいと願う時は、父母の許可を得なくともよい事になっている;

ある種のサンガは、出家希望者に一対の義理の仏教徒の父母を認め、義理の父母の同意を得た後であれば、サンガは彼の出家を受け入れる。

(6-1につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>