<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
23、
問:父母が許可しない場合、出家できないというのは本当ですか?
答:仏陀は《律蔵》の中で、以下の様に規定している:
「比丘たちよ。
父母が同意しないならば、その子を出家させてはならない」
註釈書では、もし、父母がいまだ在世である場合、父母双方の許可を得る必要がある。
また、もし、幼少の頃より父母が存命せず、叔母などの親戚が育てた場合、叔母等の許可を得てから、出家するべきである、と言う。
しかしながら《法句経》の註釈書の中で、シャーリープトラ尊者の一番小さい七歳の弟が、出家して、阿羅漢を証得した時の話が載っている。
シャーリプトラ尊者が、八億七千万の財産を放棄して出家した後、彼の三人の妹と、二人の弟も出家した為、後に残ったのは弟のレワタ一人であった。
彼の母親は思った:「私が子Upatissa(シャーリプトラ)が出家した後、三人の妹、二人の弟も出家してしまい、残ったのはレワタ一人になってしまった。
もし、彼も出家してしまったならば、将来、我が家の財産は、公のものになってしまうし、家系も途絶えてしまう。
私は、彼が小さい内から結婚させて、家に残そう。」
シャーリープトラ長老はこの事を予知すると、先にレワタの出家を受け入れてくれる寺院を見つけ、その寺院の比丘たちに言った:
「賢友たちよ。
もし、レワタが来て、出家を願ったならば、彼を出家させて頂きたい!
私の父母は邪見者であり、彼らに許可を得ようとしても無駄なのである!
私が彼の父母なのです。」
その後、レワタは結婚式の行き返りに智慧を絞って逃げ出し、出家を企て、まさにその寺院に行って出家したのである。
親が探しに来るのを憂いた年少の彼は、比丘たちから、阿羅漢の業処を教えて貰った後、一人で、30由旬(一由旬は16kmまたは12km)離れた森に行き、その森の中で三か月の雨安居を過ごした時、無礙解智を具備した阿羅漢になった。
この先例があるため、南伝仏教の伝統では、もし、父母が仏教徒ではない場合で、出家したいと願う時は、父母の許可を得なくともよい事になっている;
ある種のサンガは、出家希望者に一対の義理の仏教徒の父母を認め、義理の父母の同意を得た後であれば、サンガは彼の出家を受け入れる。
(6-1につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>