南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー60

誤った縁起の解釈は、仏教を衰退さす~~

あなたは、仏教がなぜインドで衰退したか、知って

いますか?

この事について、色々な人が、色々な意見を提出して

いる。例えば、外敵が侵入して、仏教を圧迫した、とか。

しかし、仏教がインドから消えた主要な原因は、仏教徒

法の義(法の真意)を間違って解説したためーー仏教の

中核的思想ーー縁起を、ヒンズー教またはバラモン教

三世輪廻及び梵我の思想として説明したからだ、と私は

思っている。

これが、仏教がインドから消えた本当の原因である、

と私は確信している。

縁起をして、主体がある、または自我があるというふうに、

間違って解釈されたとき、インドの仏教は完全に消失し、

何らの痕跡も残ることなく、ヒンズー教の付属品に

なってしまった。

間違った解釈はどのように発生したのか?

意図的に謀られたものなのか?

これは非常に分かりにくい。

バラモン教が、仏教を敵対視し、仏教を飲み込もうと

したのは事実であるし、誰かが仏教を壊滅させようと

した可能性は、否定できない。

私にはバラモン教を誹謗する気持ちはないが、この種の

推測の可能性は、非常に高い。

仏教は常見を否定しており、「人」がいるとか、「我(私)」

いるとか、「衆生」がいるとかは言わないし、「人」が

生死輪廻の中で流転している、とは言わない。

仏教には「人」「衆生」はいないのに、縁起をば、三世を

貫通する出来事だと解釈し、その中を流転する「衆生」が

いるとか、「人」がいるとか言うのは、仏教の真の

滅亡を招くものである!(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)