Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳番外編~「偽比丘」の見分け方(4-15)(56/70)

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

アビダンマを研究した事のある人、または観智を有する禅の修行者は皆、心内において、(+施主が)出家者を招待して、供養をしようという考えが浮かんだ時から始まって、その後に、色々と行動し、計画し、招待し、買い物し、煮炊きし、送迎し、三宝に礼拝し、三宝に帰依し、受戒し、サンガに供養し、奉仕し、法を聞き、皆で喜びを分け合い、功徳を回向するまでの過程全体の中に、量る事のできない多くの善業の心の流れが、その痕跡を残すことを知っている。

後々、心が、一たび、己がかつてこのような殊勝な善業をなして、歓びにあふれた時の事を思い出すと、それによって、歓びの心で再び、無数の善業を為すのであるが、それはまるで雪だるまが転がるかのようであって、その歓びの効力は、どんどん大きくなるのである。

そして、これらの善業の中の大部分の善業は、無尽業といい、生死輪廻から解脱していないならば、その間ずっとこれらの業は、永久に有効なのである!

そしてそれらは、因と縁が具足した時、果報を齎す事になる。

家庭におけるサンガ施は同時に、親兄弟、親戚や友人、左右の隣人に、善知識に親しみ、仏法を理解し、無上の福田に福を蒔く機会を作る。もし、有縁の者が、仏法に対して信心を生じて、三宝に帰依するならば、この功徳は無量であり、この事は、出家者に物質的援助をするだけより、更に更に、貴いのである。

仏陀は、在家信徒衆に、己自身が布施をしなければならない事を教えた他に、他人と一緒に布施をするように、とも教えた。

このようにすれば、福報が良いだけでなく、人の縁も佳くなり、付き従う人も多くなるからである。

施主はまた、この種の家庭サンガ施の功徳を、すでに亡くなった親族、祖先神明、天神、家内の守護神、及び一切の衆生に、回向する事ができる。

よく功徳を行い、功徳を諸々の天陣、龍天護法、大小の守護神、鬼道とすべての衆生に分け与える事のできる善人は、人間ではない所の生き物もまた彼を好んで、守護し、敬愛し、憐愛するようになる。

天神がたびたび訪ねて来る家は、光明と吉兆が充満しており、このような家に住む善人は、よく吉祥なる出来事を見る事ができる。

”一人の智慧ある人は、己自身の住む場所において、自制力があり、徳行のある梵行者を供養し、そして、その供養・奉仕を、そこにいる神明に回向(=転じて献じる)しなければならない。神明は敬愛を受ければ、彼を敬愛し、かつ彼を憐愛する。それはまるで母親が、我が子に向ける愛情のようであり、神明に愛された人は、よく吉祥の事柄に出会う。”

《長部・第16大般涅槃経

家庭サンガ施は、サンガと信徒の和合を繋ぐ事に関して、深遠な影響を及ぼす。

家庭サンガ施を通して、出家者と在家は、更に親密な交流と助け合いを行い、僧侶方はその事によって、施主の状況を更に深く理解する事ができ、その事を通して、適切な指導と癒しを与える事ができる。

施主は、僧侶方の行いや職責を理解して、お互いの隔たりや誤解を、解消する事ができる。

家庭サンガ施は、サンガと信徒を繋ぐ橋梁のようなもので、施主方の、福と慧の増長する源泉でもある。

(4‐16につづく)

   <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<「偽比丘の見分け方」中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>