南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#47-5

居士に関して言えば、戒行の清浄は、やはり必要である。

彼らは、できれば、禅修行の前に、己自身の戒行を清浄にしておくこと、すなわち、五戒または八戒を受持する事(が望ましい)。

この様に、禅の修行期間において、彼らの戒行が清浄なものであるならば、ジャーナを証得することは出来る。たとえ、彼らの、禅修行前は邪悪なものであっても。

例えば《法句義注》では、クッジュッタラー(Khujjuttarā)という女性下僕の物語<注395>を述べている。

彼女は、ウデナ王(Udena)の皇后であるサーマーヴァティー(Sāmāvatī)の女性下僕であった。

ウデナ王は、毎日、皇后の花を買う為に、八個の金貨を彼女に渡した。しかし、クッジュッタラーは、毎日、四個の金貨を自分のポケットに入れ、その残りの四個の金貨でもって、花を買った。

ある日、仏陀とサンガの人々が、花屋の家で供養を受けたが、クッジュッタラーもまた、花屋び手伝いをして、食べ物ぼ供養をした。

食事の後、仏陀は仏法を開示したが、その時、クッジュッタラーは、己の偸盗の行為を恥じ、かつ、二度と盗まない事を決意した。

彼女の決意は、仏法を聞くことを通して、戒行が清浄になった一つの例である。

禅の修行を通して、クッジュッタラーは、入流者(sotāpanna)になった。

その日、彼女は四個の金貨を自分のポケットに入れることはなく、八個の金貨すべてを使って、花を買った。

彼女がサーマーヴァティー皇后に花を渡した時、皇后は非常に驚いた。というのも、花は、これまでよりも、非常に多かった故に。その後、彼女は、己自身の過誤を懺悔した。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>