故に、もし真正に、己自身を大切にするのであれば、あなた方は、仏陀の認めた方法で実践しなければならない。それは《法句経》偈157に書かれている:
もし人が、己自身を愛惜することを
目指すのであるならば、
己自身を、しっかりと守らなければならない。
三夜の内のどの段階においても、
智者は(邪悪に対して)警覚(=警戒と覚醒)を
保持するべきである。
ここでいう三夜とは、生命の三つの段階のことである。
こうしたことから、もし、己自身に幸せを齎したいと思うならば、あなた方は、善を修しなければならない。もし他者に幸福を齎したいと願うならば、あなた方はまた、善を修しなければならない。あなた方は、布施を修して、布施を必要としている人に布施する事(+を学びなさい)。
このように実践すれば、たとえば、他人と己に対して利益を齎すことができる。
布施はあなた方にどのような利益を齎すだろうか?
《中部・小業分別経》の中で、仏陀はこのように言う:
「ここにおいて、学生、またある男性または女性が食べ物、飲み物、衣服、乗り物、花、香り、薬、寝床、住まいと灯りを沙門または婆羅門に布施をする。彼がこの種の業を実践するが故に、身体が分解して死ぬとき、彼は善趣に生まれ変わるか、または、天界に生まれることさえある。もし、彼が天界に生まれず、人間界に戻って(+人間として)生まれた時は、どこに生まれ出ようとも、彼はいつも裕福である。」
しかし、仏陀は、持戒清浄の人についてのみ、このように言っているのである。
というのも、仏陀は《中部》の中で、以下のように言う:
「比丘たちよ。戒行清浄なる者の願いは、己の清浄なる戒によって、実現される」と。
こうしたことから、(+私は)あなた方に、五戒をしっかりと守らなければならない、と言うのである。また、あなた方が、この基本的な五戒を守るならば、あなた方は、(+戒の)それぞれが持つ善報を受け取ることになる。
第一条の不殺生を例にとると、仏陀は《小業分別経》の中で以下のように述べている:
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(211-12につづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>