Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(69ー4)(私家版)

2.水界                 川を見た時、最初の印象は「流れ」である。流動が、水の特徴である事が分かる。川自体は世俗諦であるが、その流動性は究極諦である。水の作用は、具生色法を増加成長させる事。ご飯を炊く時、洗い終えたお米の中に水を注いで、その後煮たり蒸したりする。その時米は膨張するが、これが水の作用である。水の作用とは、具生色法の増加と成長である。水の現起は具生色法を一塊にする、又は粘着させる事。我々の身体が全体を保って分解しないのは、水が身体の各部分、足、手、胸、四肢を一つに粘着して、一定の形状を保っているからである。一連の念珠の様に、もし、糸が切れたならば、念珠は分散してしまう。それと同じ様に、もし、身体内部の水界を取り出したならば、身体全体は分散してしまう。我々の身体又物質は、例えば、円形、三角形、四方形等の、異なる形状を取る事ができるが、それは、水が、地、火、風を粘着力で一つに纏めているからである。水の近因は、地、火、風という、その他の三界である。この様に、四大は同時に生起し、当時に滅するのである。体内の水界の顕著な12の部分は以下の通り:胆汁、痰、膿、血液、汗、脂肪、涙、油分、唾液、鼻水、関節液、尿。