南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6‐27

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

四、風界(vāyodhātu)

風界は移動及び圧力の元素である。

その特徴は、同一の粒の色聚の中のその他の俱生色法の拡張または支持である;

作用は、その他の色法の移動;

現起(現象)は、[俱生色法をある場所から]もう一つの別の場所へ帯動する事である;

近因は、同一の粒の色聚の中のその他の三種類の大種色である。

それは触することのできる圧力として体験することができる。

帯動(abhinīhāra):「帯動」とは、諸々の聚集界が近くの場所に、または接近点において、相続的に生起する所の原因になる動作の事である。

風界の吹動:それは励起する。その意味は、その作用を通して、諸々の聚集界が移動することである。

実際は、究極法は、ある場所から、別の場所へと移動する事は出来ないのである、というのも、それらの寿命は非常に短く、故に移動する為の時間が不足するが故に。

それらは一たび生起するやいなや、壊滅する。

移動したいと言う心念(=心内で思う事)が生じる時、当該の心は、多くの心生色聚を生じせしめる事ができる。これらの心生色聚の風界は、それと相相続(=次々と相続する事)して生起する所の、新しい色聚を、その近い場所において生起せしめることができる。

色聚がこの様に[相続的に]生起する方式を、移動と言う。

すべての肢体の中においては、流動性、移動と拡張の相を擁しているが、地を基とし、水によって粘着され、火によって維持される風界が、その身を拡張する。

拡張された身体は、倒れることがなく、直立することができる;

その他の、移動の風界の推進性の影響の下、それは身表を顕示し、それは手足を湾曲せしめ、伸ばし、屈折せしめ、歩く時、立つとき、坐る時と横になる時の姿勢において、その様に作用する。

故に、この界の作用は持続して継続するが、それは魔法の杖の様に、愚かな男性、女性等々を騙し続けるのである。

風界は、その他の三界に依存して初めてその作用を発揮することができる。故に、同一の粒の色聚の中のその他の三大種色は、それの近因である。

(6-28につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>