<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
四、風界(vāyodhātu)
風界は移動及び圧力の元素である。
その特徴は、同一の粒の色聚の中のその他の俱生色法の拡張または支持である;
作用は、その他の色法の移動;
現起(現象)は、[俱生色法をある場所から]もう一つの別の場所へ帯動する事である;
近因は、同一の粒の色聚の中のその他の三種類の大種色である。
それは触することのできる圧力として体験することができる。
帯動(abhinīhāra):「帯動」とは、諸々の聚集界が近くの場所に、または接近点において、相続的に生起する所の原因になる動作の事である。
風界の吹動:それは励起する。その意味は、その作用を通して、諸々の聚集界が移動することである。
実際は、究極法は、ある場所から、別の場所へと移動する事は出来ないのである、というのも、それらの寿命は非常に短く、故に移動する為の時間が不足するが故に。
それらは一たび生起するやいなや、壊滅する。
移動したいと言う心念(=心内で思う事)が生じる時、当該の心は、多くの心生色聚を生じせしめる事ができる。これらの心生色聚の風界は、それと相相続(=次々と相続する事)して生起する所の、新しい色聚を、その近い場所において生起せしめることができる。
色聚がこの様に[相続的に]生起する方式を、移動と言う。
すべての肢体の中においては、流動性、移動と拡張の相を擁しているが、地を基とし、水によって粘着され、火によって維持される風界が、その身を拡張する。
拡張された身体は、倒れることがなく、直立することができる;
その他の、移動の風界の推進性の影響の下、それは身表を顕示し、それは手足を湾曲せしめ、伸ばし、屈折せしめ、歩く時、立つとき、坐る時と横になる時の姿勢において、その様に作用する。
故に、この界の作用は持続して継続するが、それは魔法の杖の様に、愚かな男性、女性等々を騙し続けるのである。
風界は、その他の三界に依存して初めてその作用を発揮することができる。故に、同一の粒の色聚の中のその他の三大種色は、それの近因である。
(6-28につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>