翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #33-10
心生色
心生色(cittaja rūpa)は、八法聚によって構成されている。それらの食素(ojā)は心生食素であり、しかも、心処に依存して生起する所の心によってのみ、生じるのであり、五根門または五依処より生起した心によって生じるのではない。
これ以外に、結生心を除いて、すべての心処に依存して生起するすべての心は、みな、心生色法を生じせしめることができる。
憤怒と焦燥を例にとる。
憤怒と焦燥は、みな、瞋心(dosa)に属する。
瞋心は火界が最も顕著となる心生色法を生じせしめることができるが、これが、我々が憤怒または焦燥する時、感じる所の燥熱の原因である。
次に、肢体が前に向かい、また後ろに向かう時や、上方向や下方向に向かう時の、身体動作を例にとる。
我々が走行する時、心は太ももや、脚の部分に向かう。
当該の心は、太ももや脚部及び全身において、風界を主とする心生色法を生じせしめる。
まさに、風が物を巻き込んで移動させることが出来る様に、風界もまた、身体の移動を遂行する。
これらの動作が完成するのは、一系列の、異なる心生色聚が、異なる部位において、順序よく生じるからである。
足を上げた時に生じる心生色聚は、足を前に進めた時に生じる心生色聚とは異なるものである。
一種類毎の色聚は、同一の場所において生起し、かつ、(その場において)壊滅し、滅し去るほかなく、新しい色聚が、もう一つ別の場所において生起し、かつ、当該の場所において壊滅し、滅し去るのでる。
<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>