wong0110's diary

中国語で書かれた仏教書を日本語に翻訳して公開。+日常の心模様の独り言。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~186-1

問3-9:

仏陀は、菩提樹の下で仏位に証入し、同時に阿羅漢になりました。

彼は初果(=ヨルカ、ソータパナ)の証悟から始めて、四果(=阿羅漢)まで行く、という方法を取る必要が、ありませんでした。

仏陀の弟子の中で、前の三つの果位を証悟しなくても、直接阿羅漢を証悟する人はいますか?

答3-9:

南伝の仏法では、実際の状況は、決してあなたの言うようなことではない。

我々の菩薩は、四道と四果を証悟することによって、仏果を証得したのである。

彼は一回の座禅・瞑想の内だけで、四道と四果を証悟し、二種類の道の間においては、彼には幾つかの観智が生起したに過ぎない。

すべての、阿羅漢果を証悟する人は、皆、四道と四果を経なければならない。こうしたことから、前の三つの道・果を証悟しないで、いきなり阿羅漢果を証悟する弟子は、一人もいない。

問3-10:

世俗諦(=世俗的な真理)に通達していないが為に、真実諦(=出世間的な真理)を修し学ぶことに障礙を生じることがあります。このような障礙を取り除くには、どのような方法がありますか?

答3-10:

仏陀は開示して言う:

「有定力的比丘能如実知見諸法(=定力のある比丘は、如実知見することができる)。」

故に、もしも、究極の真理を照見したいのであれば、あなたは善知識の指導の下で修行して、強くて深い定力を育成しなければならない。

ここで私は、周利般陀伽尊者(Venerable Cūḷapanthaka、以下チューラパンダカ尊者)の物語を説明する。

出家の後、チューラパンダカ尊者は、彼の兄、マハーパンダカ阿羅漢の指導の下で修行していた。しかしながら、雨安居の期間全体を使っても、彼は、四つの偈でできた詩文一首も暗記する事ができなかった。彼がかかくも愚かであったのは:

過去世において、Kassapa仏の時代、チューラパンダカは、深淵な学問に通じ、博学で、仏法を教えることのできる比丘であった。

ある時、彼は、彼に付き従って学習している一人の比丘を愚鈍であると、嘲笑した。その比丘は、教師に嘲笑されて、恥ずかしくなり、継続して学習する意欲、自信を喪失してしまった。

この悪業によって、チューラパンダカは、多くの世において、愚かな、愚鈍な人物として生きなければならなかった。そして、彼の最後の一世において、チューラパンダカとして生まれたが、出家後、突然、彼は愚鈍になり、そして、意外にも、彼は詩文を下の句を暗唱すると、もう上の句を忘れてしまうという状態に陥った。

彼の兄、マハーパンダカは、彼はどのような道も果も証悟することはできないだろうと思い、彼に還俗するように言った。兄のこの厳しい命令を聞いて、チューラパンダカは非常に傷心し、泣いた。

その時、仏陀は名医ジィヴァカが布施したマンゴー園のお寺にいた。仏陀はチューラパンダカの困惑を見ると同時に、彼が仏陀の指導を受ければ解脱を証悟することができることを知ったので、仏陀はチューラパンダカの所へ行き、尋ねた:

「私の息子チューラパンダカ、あなたはなぜ泣くのですか?」

チューラパンダカ:

「世尊、私の兄が、サンガから出ていけと言うのです」

「私の息子、チューラパンダカ、あなたのお兄さんは、衆生の意向と、根器の能力を明確に知る能力を具備している訳ではありません。

そして、あなたは将に、仏陀に指導されるべき人間なのです。」

仏陀はこのような、人を奮い立たせるような話をした後、神通力で一枚の清潔な布を取り出し、チューラパンダカに渡して、言った:

「私の息子チューラパンダカ、手でこの布を持ち、『rajo haraṇaṁ、rajo haraṇaṁーーこの布は、容易に汚染される、この布は容易に汚染される』と唱えなさい。あなたはこのように修行しなさい。」

こうして、チューラパンダカ尊者は、座って、仏陀に貰った布を手でこすり、同時に「この布は容易に汚染される。この布は容易に汚染される」と唱え続けた。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(問3-10、つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>