大昔、タイの山奥で初めて瞑想を習ったときは、森の中の虫・蚊に刺されないよう、腰に蚊取り線香をぶら下げ、右手に蝋燭(電気が来ていなかったので)、左手に座蒲を持って、シズシズと移動したものです。
最近、ビルマと台湾のパオで修行しましたが、その時は、<蚊よけネット>を使いました。
いわゆる<蚊よけネット>と呼ばれているものは3種類あって、一つ目は傘タイプ。
日本でも昔使っていた丈夫な渋紙を張った大きな唐傘に、蚊帳に使うネットをぐるりと張り巡らしたもの。傘を広げると同時にネットを張り、傘の先を木の枝などに連結して、ぶら下げて使います。
テーラワーダの比丘は行脚(トゥドン)をするとき、この傘を、畳んだ状態で脇に持ちます。
壊色(=袈裟色)の大衣のローブ(正式には襟を立てる)、右脇に傘、左脇に托鉢用の鉢、なかなか格好いいです。
次は、原理は傘タイプと同じですが、帽子タイプと言った方が分かり易いかも。
傘の部分(=つばの部分、広い)とネットの部分は最初から一体になっていて(つばはフニャフニャにならないよう針金で<張り>を強化)、吊るすこともできるし、頭に乗せることもできるというタイプ(頭に乗せると、うっとしくて瞑想しにくいですが)。
最後は蠅帳タイプ。蠅帳というのは、テーブルにおいた料理に蠅が来ないように、料理に被せておくもので、ネットと骨でできていて、傘を広げるのと同じ様なメカニズムになっています。
最近は、これを大きくしたものが、赤ちゃんの昼寝用蚊帳、という名目で売られています。
赤ちゃん用は昼寝用ですから高さがありませんが、これを、大人がその中で座っても、頭がつかえないように高さを高くとったものが、ビルマでは瞑想用蚊帳として、よく使われています。
難点は、開いたり閉じたりが面倒で(長くて細い骨の扱いが難しい)、また、壊れやすいこと(テーブルに置く蠅帳なら力学的に大したことはないのですが、大人が中に入って使う大型タイプになると・・・。)
私は、二番目のものを持っていますので、いづれ皆様にお見せしましょう(写真に撮って公開しますね)。