Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~宗教と科学

先ほど、IT を見ていましたら、「ダ・ヴィンチ・コード」の作者が、新しい本を出した、との事です。

彼は子供の時に教会に行って

「聖書と進化論と、どちらが正しいの?」

と聞いたら、聖職者に

「よい子は、そんな事は聞かないの」

と言われた、のだとか(笑)。

その体験が発端になって、彼の生涯のテーマが、宗教と科学の繋がりを究明する事、になったそうです。

私も、子供の時から仏教が好きだったとはいえ、仏典を読んでも分からない事が多く、もしこれが迷信だったら、一生を賭けるに値しない訳で、どこを切り口に学び始めればいいのか、大変に悩みました(超能力・神通とか、天界とか、本当かしら?という疑惑で一杯でしたし、それらを上手に説明してくれる人は、私の周辺では、皆無でしたから。)

そんな疑心暗鬼の中、座禅・瞑想を始めたのは、中国に出張した時に鄭州のホテルに泊まり、日曜日に嵩山少林寺に観光に行った所、少林寺を案内してくれた市仏教協会主席という方に勧められのがきっかけ。

「貴女は、次は何をしようか、次は何をしようかと、心がキョロキョロして落ち着きがない様子なので、坐禅した方がよい」とアドバイスされて、即納得。

日本に戻ってきた後、指導者はないままに、一人で座禅・瞑想を始めました。

霊的な体験と言えば、いくつかあります。

これらの体験もまた、仏教を学び、修行しなければならないと、私の背中を押してくれました。

何の宗教団体にも属さず、何の修行もしていなかった20代と30代の前半に、脈絡もなく突然、いくつかの霊的な体験をした時は、自分が普通ではない、気が狂ったのかと思ったものですが、インドの聖者の本を読んで、一人密かに納得したり・・・修行を始めてから以降は、タイやビルマの善知識の方々に解説して貰って、ようやく安心を得たり。

日本人では、河合隼雄さんがよかったです。

彼の著書「宗教と科学の間」を読んでそれ以降、私は仏教が宗教と言われようが、科学と言われようが、そんな事とは関係なく、しっかりと学び、修行しようと思ったものです(テーラワーダ系の僧侶に、『仏教は科学だ』と主張する人がいるのですが、それは少々、無理があると思います。瞑想体験や神秘体験、因果応報の原理など、現代科学の力で、証明できているわけではないので。)

「いい子はそんな事聞かない」というキリスト教の闇、仏典に書かれてある事は全部正しいとする仏教原理主義・・・さて、自分はどこへ向かっていくのか?

分からない事は分からないと言える勇気と共に、宗教と科学のあわいを、行く事にしましょうか。

   <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>