<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
”まず最初に、その他の生命を害してはならない。
このようにするのは、あなたが己の憤怒を、どのようにしてコントロールするのかを学び、慈心を育成するためです;
次に、許可を得ていない状況の下で、他人の物を盗ってはいけません。
偸盗したいという考えを捨て去るのは、貪心を束縛し、占有欲を放棄することで、こうする事によって、あなたは成長する可能性が出てきます;
如何なる不当な性的関係もあってはなりません。邪淫を禁止する事は、あなたがあなたの淫欲を降伏する助けになり、知足の態度を養います。
またこれ以外には、嘘を言ってはいけません。
どのような時にも、本当の話をするように。
このようにすれば、あなたは妄語の習慣を制御することができます。すべての交際相手への、誠実さを大切にしなさい;
最後は、お酒を飲まない事です。
お酒を飲んだ後に乱れる事態を避け、同時に正念を育成します。まず最初に、このことが出来る様になってこそ、一切の戒を守って、不犯でいられます。”
基本の五戒を守るよう、龍を説得したメーチ・ケーウは、彼を教え導き、戒を守る以外に、布施と禅定も非常に重要で、この三つの道品は、今生だけでなく、生きては死ぬ、未来の生々世々において、心が頼りにする事のできる基礎であり、また、衆生の今現在の一切は、己自身の過去の行為が招きよせた結果であり、一切の業報は、己一人で受け取らねばならず、身代りになってくれる人はいない、と説明した。
ノーックラパ洞の女性たちは、当地の村民が供養してくれる白米とその他の食品に頼る他、彼女たちもまた山菜、芋類、茸などを見つけて食料とし、炊いたご飯と塩漬け魚は、信徒が供養した。
これら布施をしてくれる村の女性たちは、忠実な信徒となり、彼女たちの誠意に応える為、メーチ・ケーウは常々、己自身の禅修行の経験を披露し、彼女たちが、道徳的概念を学べるようにした。
しかし、彼女が龍を訓服した話が村に伝わると、多くの村民は、不安と恐れを感じた。ここの住民は、長期に亘ってアニミズムの信仰に浸り、極端にタブーを迷信し、誰かの心霊の力が、鬼神より上に来ると、彼らは警戒し、恐れた。
彼らは、この事件を魔術と関連づけて、恐れ、また畏敬した。
ノーックラパは、森林地帯に属していて、村民は通常、猟をし、山菜を採って暮らしていた。
メーチ・ケーウが神通を使った話を聞いて、彼らは、森林に入るのを止めた。そして、その後に、彼女たちを非難する人が、出始めた。
当時、普通ではない暴風雨に見舞われ、大雨が降り続き、村の窪地は水浸しになったが、これは洞に住んでいるメーチ・ケーウが、この雨を呼んだのだと、誰かが言い出した。
流言飛語が飛び交い、日本軍がこの地域に来たのも、メーチ・ケーウたちのせいにされた。
ノーックラパ洞は、清らかで静寂幽邃ではあったが、一連の侮辱を受けた為に、メーチ・ケーウは、ここを離れる決意をした。
各種の誤解が、修行仲間に多くの迷惑を齎すかもしれないと考えたメーチ・ケーウは、他の女性たちと共に、皐山に帰ることにした。
(4-39につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>