Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―30

貪欲の人は嫌われるーー

貪欲でない、無欲の人がいたら、皆友達になりたがる。限りなく

貪欲な人は、誰にも歓迎されない。

ある時、複数の大学の集まりがあった。A大学の学生とB学院の学生が、

ともに合宿した。B学院の学生は体格が大きく、威風堂々としていたが、

朝食の時、同じテーブルについている人の事は一顧だにせず、すべての

おかずを、自分一人のお椀に、取り込んでしまった。

A大学の学生が、そういう態度は良くないと諌めたが、B学院の学生は、

自分の体格がよい事を嵩にきて、「お前は何様だ?」と罵った。

A大学の学生は彼を呼び出して、あっという間に殴り倒し、彼は

歯を二本折った。いくつかの落花生を大目に食べたいとか、

豆腐を独占したいとか、それと引き換えに歯を二本無くして

しまったのだから、まったくもって割に合わない。

こういう事から、貪欲な人は、人から歓迎されないことが、分かる。

経済が許すならば、我々は布施をしなければならない。

勿論、自分の力量と相談の上で、だ。

布施をする人は、人々に好かれる。

故に、無貪であれ、貪欲であってはならない。

(つづく)

   (台湾高雄文殊講堂 慧律法師著 

    翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)