如何にして精進波羅蜜を修習するのか?
一人の、敵を打ち負かしたいと思っている
将軍は、不断に奮闘する。
同じく、他人を頼らず、自力で煩悩敵を
克服したいと思い、かつ、衆生を指導して
同等の征服行動をとりたいと願う菩薩は、
時々刻々、もろもろの波羅蜜を円満成就
するよう、精進しなければならない。
故に、菩薩は、不断に、正念を備えながら
以下のように省察する:
「今日、私は、いかなる菩提資糧と智慧を
累積したか?今日、私は、他者の何を
支援できたか?」
奉仕するために、尽力する。
衆生を助けるため、彼は、気前よく自分の
財物を布施するが、それは、生命と身体を
含むものである。
どのような言行であろうとも、彼の心は、
ただ正等正覚に傾向している。
どのような功徳であろうとも、彼がそれに
ささげる唯一の目標は、すなわち、
正等正覚である。
上等で、かつ希有な欲楽の目標であっても、
彼の心はそれに執着する事なく、
出離に傾向しており、下等と、普通レベルの
欲楽の目標においては、何をかいわんや、
である。
彼は一つの仕事をなす度に、方法善巧智を
育成、運用する。
彼は時々刻々、衆生の利益と幸福のために
努力する。
彼は忍耐力をもって、喜ばしい、または
喜ばしくない感官の目標を忍受する。
彼は真実(+語)を堅持し、生命が脅威に
さらされても、動揺することがない。
彼は、まったくの分別心なく、一切の衆生に
慈悲を拡散する。それは、まるで、一人の
父親が、子供たちの苦痛を背負いたいと
願うのと似ており、故に、彼は衆生に
降りかかった一切の苦痛を背負いたいと
願っている。
彼は衆生の善行に、喜びを感じる。
彼は常に、仏陀の偉大さと無辺なる力量を
省察する。
どのような言行をなしているときでも、
彼の心は正等正覚に傾向している。
このように、菩薩は、持続的に布施などの
諸々の善行に献身し、日ごとに、何にも
匹敵することのできない功徳を、蓄積する。
(+ )(= )訳者。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>