Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-24

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

你的身、你的心、你的生命ーー

(あなたの身体、あなたの心、あなたの命ーー)

這些都不属于你的、

(これらは皆、あなたのものではなく、)

所以不能依靠它們帯給你

(故に、それらによって、あなたに)

真正的快楽。

(真の楽しさを、齎すことはできない)

農家暇なし

アチャン・マンが去った後、達白は口数が、少なくなった。

彼女は禅の修行を止めて、彼女の生命の躍動が、その中に陶酔した所の、喜悦と興奮を静め、消し去ろうとした。

達白は生まれつき恥ずかしがりで、人との付き合いが好きではなかったので、このような状況の下で、彼女は仕事に没頭し、時間を仕事で一杯にした。

達白は、いつも手元になにがしかの仕事を持っていて、ひと時も立ち止まることがなかった。

彼女は、綿花や藍を植え、養蚕に必要な、桑も植えた。

彼女は手織りをし、糸を紡ぎ、白いフワフワした綿花を紗に縒って、その後で、布に織った。

彼女は機織り機の前に、何時間も座って、蚕糸と綿紗を布に織り、その後に、ゆったりとしたスカートや、ブラウスを縫い、美しい図案に基づいて、藍染をした。

その染料は、彼女が育てた藍から作った。

また、彼女は、田舎の人が着る野良着を断ち、縫ったりした。

達白は、知恵があり手が器用であり、手芸に関して、非常に天分があった。

普段は、竹ひごや籐ひもで、凝った技巧の、軽くて使い勝手の良い籠などを編み、綿花の枕やクッションを作り、冬に着るセーターを編み、古い洋服をつくろったりした。

また彼女は、一日中、涼しい森の中にいて、山菜を採ることもあれば、味と色と形状から判断して、食べられる瓜や果物、蕨やキノコを採った。

夕方、家に帰ると、彼女は籠一杯の収穫物を分類して処理し、きれいに洗って切り刻み、魚や肉と一緒に煮炊きして、美味しくて栄養のある一品にした。

達白の多芸多才は、村で頭角を現すことになった。

普泰族の社会では、伝統的な手芸に優れている年若い女子は、よい嫁になれるとばかりに、称賛された。

忍耐強い事、落ち着いて着実である事、家庭と伝統に忠実であるという性格、親に孝行し、敬老の精神を持つ彼女は、他家の女子よりもなお、出色の存在であった。

暫くすると、仲人が、婚姻の話を持って来た。

その中の一人は、近くに住んでいて、達白より一歳下の布麻であった。

彼は勇気を振り絞って、彼女の家の家長に、婚姻を打診した。

この時、達白は、いまだアチャン・マンの指導の中に沈潜しており、恋愛する気持ちがなく、結婚したいと、考えたこともなかった。

しかし、彼女の両親は、布麻の申し込みを受け入れた。達白は、彼らの希望に逆らうことは考えられず、この結婚話を受け入れざるを得なかった。

どうやら、達白は、浮世のごたごたから、抜け出すことはできないようであったーー今のところは。

(3-25につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>