<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(以下の翻訳文は、福岡ダンマセンターの法話会に供する為の資料です)
私は、例を挙げて説明する。
《学人行道経》の中で、仏陀は以下のように言う:
「戒蘊の成就によって聖者となれ!」
(《相応部》・大品・道相応第一・《学人経》第三)
この経文の意味は、37道品の中の活命戒の修行を通して、聖者の戒・定・慧を成就せよ、という事である。
故に、仏法において、いわゆる優婆塞、優婆夷とは、活命戒、三帰依の内において、持続的に、確乎として修行に取り組む事のできる人、その事によって、部分的にでも「妙行者」、「和敬行者」の特質を享受する者を言うのであり、そのような特質を持つが故に、「法随法行道智聖者」と呼ばれるのである。
これらの特質は、「サンガ」の文字と共に、挙げられているものである。
たとえば:
「私は僧(=サンガ)に帰依します。妙行者、世尊、声聞、僧伽(=サンガ)。」
とあるように。
我々が理解しなければならないのは、比丘、比丘尼だけが、持戒の善良な凡夫である、という事である。
毘那奈の中において、具足戒を受けたサンガ以外に、その他の人は、すなわち、沙弥、沙弥尼、式叉摩那、優婆塞、優婆夷である。
「法随法行道」(「37道品」とも)を修習する人、彼または彼女は、ただ、優婆塞、優婆夷の一人にしか過ぎないかも知れないが、しかし《経律》の論述において、「沙門」、「婆羅門」と呼ばれるのである。
故に、《法句経》では以下のように言う:
「厳身住寂静(身は厳しく寂静に住む)
調御而克制(心を調御して、克己する)
必然修梵行(梵行を修するは必然であり)
不以刀杖等(刀・杖等を持って)
加害諸有情(諸々の有情を害す事無くば)
彼即婆羅門(彼はすなわち婆羅門であり)
彼即是沙門(彼はすなわち沙門であり)
彼即是比丘(彼はすなわち比丘である」
(《法句経》第142偈頌)
この経文は、「法随法行道」(「37道品」を修習する事)を修持して、心・身が清浄なる修行者は、たとえ凡夫の衣服を纏っていたとしても、比丘と称する事ができる(+という意味である)。
ここにおいて、我々は、仏法の継承者の神聖で崇高な地位についての、説明を終えた。
(10-8につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<「37道品ハンドブック」Ledī Sayādaw著 中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>