南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(3-61)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

<注31>

パオ・セヤドーは、ある種の人々が、vipassanā の修習をする時、色法を観照しなくてもよいのだ、と主張している点について、度々言及している。

仏陀は《大牧牛者経》(Mahāgopālaka Sutta)の中において、以下の様に言う:

”比丘たちよ。

比丘が色を知らないという事(na rūpaññū)とは、どういう事か?

ここにおいて、比丘たちよ。

比丘が、すべての色、一切の色に(+関して)、(+それが)四大種である事、及び四大種所造色である事を、如実に了知しない(yaṃ kiñci rūpaṃ sabbaṃ rūpaṃ cattāri mahābhūtāni、catunnañca mahābhūtānaṃ upādāyarūpanti yathābhūthaṃ nappajānāti)。

比丘たちよ。

この様な比丘は、色を知らないのである。”

 この種の状況に関して、仏陀は彼の事を 

”この法において、この律において、増長する事はできず、増広する事はできず、広大する事はできない(abbabbo imasmiṃ dhammavinaye vuddhiṃ virūḷhiṃ āpajjituṃ)。”

と言う。

義註の註釈では、彼は、この仏の教えの中において、戒、定、観、道、果と涅槃において、増長する事ができない(imasmiṃ sāsane sīlasamādhivipassanāmaggaphalanibbānehi na vaḍḍhati)、と言う。”

《相応部・第三沙門婆羅門經》(Tariyasamaṇabrāhmaṇa Sutta)の中において、仏陀は以下の様に言う:

”比丘たちよ。

もし誰か、沙門または婆羅門が、

地界を了知しないならば(pathavīdhātuṃ nappajānanti)、

地界の集を了知しないならば(pathavīdhātusamudayaṃ)、

地界の滅を了知しないならば(pathavīdhātunirodhaṃ)、

地界の滅に至る道を了知しないならば(pathavīdhātunirodhagāminiṃ paṭipadaṃ)・・・

水界を了知しないならば・・・

火界を了知しないならば・・・

風界を了知しないならば・・・

風界の集を了知しないならば、

風界の滅を了知しないならば、

風界の滅に至る道を了知しないならば、

比丘たちよ。

私は、この様な沙門または婆羅門が、沙門中の沙門である事を認めない。

この様な具寿は、現法において、己自身自らの証智によって証悟する事も、成就する事もできない(+故に)、沙門の模範となる事も、婆羅門の模範になる事も出来ないのである。”

(3‐62につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著 (原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>