<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
第四章 戒帰依に関する質疑
第一部:帰依問答
(1)
問:尊者にお聞きします:
私は、子供の頃より王爺、媽祖等を、十何年も、信仰してきました。
今、三宝に帰依しましたが、媽祖への信仰は、続けてもよいでしょうか?
答:<三帰依の内容>から言えば、「この三宝は、私の帰依(+処)、この三宝は、私の拠り所である」としたわけです。
衆生は、生死輪廻の逼迫を受け、畏怖と痛苦の中にあるので、三宝を求めて、それを帰依処、拠り所、避難処とするのです。
故に、あなたはすでに三宝に帰依して、仏教徒になったのであるならば、完全に、三宝に帰依するべきで、三宝以外の神などに、礼拝しない事です。
もし、あなたが宗教心で媽祖を礼拝するならば、三宝への帰依が破壊されます。
(2)
問:よく人から聞くのですが、彼は、誰それの大師に帰依した、と。どういう事でしょうか?
答:もし、彼が、他の宗教の信者であれば、彼は誰それの大師に帰依した、という事があるかも知れません;
しかし、我々仏教徒は、唯一、仏、法、僧(=サンガ)の三宝をもって、帰依の対象とします。
もし、誰かが三宝に帰依して、仏教徒になりたいと思っていながら、しかし、どのように帰依をしてよいのか分からない時、彼は、一人の比丘、沙弥または帰依の(+儀式の)手順を知っている在家信者に引導してもらって、帰依(+の儀式)を受ければよいのです。
勿論、彼はその長老、比丘または、在家信徒から仏法を学ぶ事はできますが、しかし、彼が帰依したのは、三宝全体に対してであり、単一の個人に帰依する事はありえません。
(3)
問:誰それの大師に帰依する事は、僧(=僧侶)に帰依した事になりませんか?
答:(2)で答えたように、帰依の対象は、三宝全体です。故に、僧とは、単一の個人を指すのではなくて、聖なる僧団(=サンガ)という事になります。それはすなわち、聖道と聖果を証悟した所の、四双八輩の聖人の団体を指します。
彼が帰依した誰それの大師は、道果を証悟した聖者ーーサンガの構成員でしょうか?
(訳者注:王爺、媽祖は、中国・台湾で信仰されている神祇)
(5-2につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>