Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」2-9

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

我々は、破、未破、果、及び所応行(帰依の対象)について、以下に、解説する:

『法に帰依』等の二種は、ここにおいて、知られる方法で説明する。

順序の原因となった事柄を、説明し、確定する。

かつ、比喩で以て、この三帰依を説明する」

この内、第一番目の偈頌の中に:

「この三帰依は、

誰が述べたのか?

どこで述べたのか?

何時述べたのか?

なぜ述べたのか?」

というのがある。

如来が最も先に述べたのではない(三帰依であるのに)、なぜ、ここでは真っ先に述べられているのか?」

ここには五つの問題があるが、その回答は以下の通り:

「誰が述べたのか?」:

世尊による。諸々の弟子でもなく、諸々の仙人(isi)でもなく、また、諸々の天(が言ったものでもない)。

「どこで述べたのか?」:

バーラーナシー(Bārāṇasī)の仙人の降りたつ(処)の鹿(野)苑で(開示したものである)。

「いつ(述べたのか)?」:

耶舎(Yasa)尊者と(彼の)友人達が、阿羅漢を証得した時、(当時、世間では合計)61人の阿羅漢がいたが、世間の衆生の利益の為に、説法をした時に(その時、開示されたのである。)

「なぜ述べたのか?」:

出家をして、具足戒を受けさせる為である。

例えば:「さて、比丘たちよ。このように出家しようとするならば、具足戒を受けせしめよ:

先に、鬚と毛髪を剃らしめ、袈裟衣を着せしめ、上衣は一方の肩に偏たんし、比丘たちの足を礼敬し、蹲踞して(かかとを上げて)座らしめ、合掌せしめ、(受戒者に対して)以下のように言わねばならない:

『あなたはこのように言いなさい:

私は仏に帰依します。

私は法に帰依します。

私はサンガに帰依します。』

「なぜここにおいて、真っ先に述べるのか?」:

この大師の九分教法が三蔵(の形)で以て収められたのを知った後、(再び)先に諸々の導師(ācaraiya)が伝誦する所の方式(vācanāmagga、語道)を採用する(+事にした)。

この方式[道]は、諸々の天(と)人間たちが近事男(upāsaka、在家居士)または出家して(仏)教に入りせしめる。

故に、この教法に入る為の(この伝誦)方式[道]はーー《小誦》において、最も先に述べたのである。

以上、因縁の浄化、すなわち説明を終えた。

(2-10につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。ご協力、よろしくお願いいたします。

<「南伝仏教在家居士須知」改題「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律

ハンドブック」中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>