<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
我々は、破、未破、果、及び所応行(帰依の対象)について、以下に、解説する:
『法に帰依』等の二種は、ここにおいて、知られる方法で説明する。
順序の原因となった事柄を、説明し、確定する。
かつ、比喩で以て、この三帰依を説明する」
この内、第一番目の偈頌の中に:
「この三帰依は、
誰が述べたのか?
どこで述べたのか?
何時述べたのか?
なぜ述べたのか?」
というのがある。
如来が最も先に述べたのではない(三帰依であるのに)、なぜ、ここでは真っ先に述べられているのか?」
ここには五つの問題があるが、その回答は以下の通り:
「誰が述べたのか?」:
世尊による。諸々の弟子でもなく、諸々の仙人(isi)でもなく、また、諸々の天(が言ったものでもない)。
「どこで述べたのか?」:
バーラーナシー(Bārāṇasī)の仙人の降りたつ(処)の鹿(野)苑で(開示したものである)。
「いつ(述べたのか)?」:
耶舎(Yasa)尊者と(彼の)友人達が、阿羅漢を証得した時、(当時、世間では合計)61人の阿羅漢がいたが、世間の衆生の利益の為に、説法をした時に(その時、開示されたのである。)
「なぜ述べたのか?」:
出家をして、具足戒を受けさせる為である。
例えば:「さて、比丘たちよ。このように出家しようとするならば、具足戒を受けせしめよ:
先に、鬚と毛髪を剃らしめ、袈裟衣を着せしめ、上衣は一方の肩に偏たんし、比丘たちの足を礼敬し、蹲踞して(かかとを上げて)座らしめ、合掌せしめ、(受戒者に対して)以下のように言わねばならない:
『あなたはこのように言いなさい:
私は仏に帰依します。
私は法に帰依します。
私はサンガに帰依します。』
「なぜここにおいて、真っ先に述べるのか?」:
この大師の九分教法が三蔵(の形)で以て収められたのを知った後、(再び)先に諸々の導師(ācaraiya)が伝誦する所の方式(vācanāmagga、語道)を採用する(+事にした)。
この方式[道]は、諸々の天(と)人間たちが近事男(upāsaka、在家居士)または出家して(仏)教に入りせしめる。
故に、この教法に入る為の(この伝誦)方式[道]はーー《小誦》において、最も先に述べたのである。
以上、因縁の浄化、すなわち説明を終えた。
(2-10につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<「南伝仏教在家居士須知」改題「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律
ハンドブック」中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>