南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~台湾の仏教

昨日、「今後、仏教書の翻訳はしない」という告知を出しました所、<日本は仏陀のダンマをきちんと説明できる僧侶がいないので困る>という趣旨の、ご意見を頂きました。

本当にその通りで、私が仏法を学びたいと思い始めた子供の頃(5歳の頃)から、原始仏教に出会うまで、30年の歳月がかかりました。

それもわざわざ、タイの森林僧院まで<留学>せねばならなかったのです。

今、台湾に行ってみると、大乗の僧侶も頑張っていますし、大乗はチト・・・というテーラワーダ派の方々も、また頑張っています。

台湾の大乗は、台湾が日本の植民地だった頃は堕落していて、あまりよくなかったそうです。今の日本の僧侶の形態をみれば分かりますよね・・・。

台湾光復後、台湾在住の日本人僧侶は日本に帰国し、その後、5人の僧侶が、そのカリスマ性でもって、台湾の仏教界を改革しました。

その内の4人は、中国からやって来た、太虚和尚の系列の僧侶で、もう一人は、台湾生まれの尼僧、証厳慈済尼です。

当時、街角に立って、金銭の布施があった時は、自分の私物を買うのに使ってもよい風潮であったのを、彼女はそれには一切手を付けず、そのお金を貯めて、病院や学校を建てていったそうです(初診の5元を払うと、後は無料で受診できる病院を建てて、台湾人に熱狂的に歓迎されましたた)。

台湾の仏教は、大乗はそれなりに健全であり、その上で、テーラワーダが好きな人々もまた、健闘している、という感じでしょうか。

テーラワーダ派からすれば大乗経典は偽経ですが、菩薩の献身という意味では、台湾の大乗は健闘していると、私は思います。

翻って、日本はどうでしょうか?

日本の僧侶には、寺に住み、僧侶とか比丘とかを名乗る以上は、梵行を守って頂きたい(僧侶が家庭を持つことを戒律違反だと思わない、そういう緩んだ感性を、私は採らない)。

道心・果心とまでは言わなくとも、多少でも悟り体験の無い僧侶は、ダンマの説明をできないのですから、若い内は修行に専念して頂きたい。

日本仏教界の現状・旧弊は、<在家の仏教好き>が少々頑張っても打ち破れるものではないと思いますが、台湾のように改革が成功する日が来る事を、祈願しています。

追伸:台湾の仏教は基本、臨済宗が多いです。曹洞宗は廃れてしまいました。チベット人僧侶がチベット密教を教えている寺院もあります。

独立した<念仏宗><浄土宗>というものはなく、念仏は、禅宗の座禅修行の一部として捉えられています。テーラワーダでいう所の<仏随念>の扱いです。

    <緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>