南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-19)(私家版)

長い長い生死輪廻の中において、もしも、顛倒想によって標記する事を、絶え間なく続けていたならば、ひとたび無常を、真正に体験する事になった時、それを真実だとして受け入れるのは、非常に難しい。

親しい人が亡くなった時、我々は、死ぬほど泣いてしまう。

この様な粗い無常でさえも、受け入れる事ができないのだから、五蘊の生・滅の様な、非常に微細な無常には、更に人を震撼させるものがある。

ある一人の、台湾の女性の禅修行者が、生滅随観智まで修行した時、ずっと泣いていた。

というのも、彼女は、五蘊が不断に生滅、生滅、生滅を繰り返しているのを、受け入れる事ができないが故に・・・

この事は、彼女の、(所縁への)以前の標記は間違いであり、彼女は(所縁をば)、常、楽、我、浄であると思い込んでおり、今、如実に、(所縁の)無常・苦・無我が観えた時、俄かに、それを受け入れる事ができないでいるのである。

(4-20につづく)

<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>