メーホーソンの思い出
40年前、縁あってタイの森林僧院に、年一度、仏教の勉強と修行に行っていました。 修行が済んで、いよいよ日本に帰ろうかな、という直前、よくチェンマイに旅行しました……ある時、足を伸ばしたのがメーホーソン。 チェンマイから夜行バスに乗って8時間、ターミナル駅には早朝到着です。 バンコクの法友がメーホーソン在住の知人を紹介してくれて、男性が一人、早朝のターミナルに迎えに来てくれていました………この人の運転するジープでメーホーソンの村々を回ったわけですが、ある山の谷の脇を通る時、大きな象が一頭、ムシャムシャ木の葉を食べているのを、彼は「あれは〇〇さんチの象さん」「自分でお昼ごはんを食べに来ているよ」と言うので、びっくりしました。 よく見ると、農家の庭先に象が一頭または親子で二頭とか、飼われているのですよね。 当時のタイの農民は貧しくて、バイクは持っていても自家用車までは無理な時代。でも、庭先に象がいる豊かさ……私の中で、先進国の豊かさへの懐疑が生まれ、価値観が逆転した瞬間でした。