Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(72ー16)(私家版)

6.命根                 命根の特徴は「住」時において、業生の具生色法を維持する事である。同一の粒の色聚の中の全ての色法は、皆具生色法である。これらは、当時に存在して、同時に滅する。命根は、それらの「住」時を維持する。例えば、性根10法聚は、業生色であるが、過去の業によって、今の我々が、男性であったり、女性であったりする。性根10法聚の中に、命根がある。そして、性根10法聚の住時を維持している。一粒一粒の色聚には、皆、生、住、滅がある。命根は即ち、具生色法の住時(即ちその生命)を維持するものである。命根の作用は、色法を発生せしめる事。もし、これが発生しないのであれば、色法は、各自の任務と作用を遂行する事が出来ない。命根の現起は、業生色法の存在を維持する事。命根は、同時に生起する所の色法に生命を与える。それはちょうど、水が蓮の花に生命を与える様なものである。命根は、具生色法が存在する為の、その生命力を維持する。しかし、命根は全ての色法の生命力を維持する訳ではない。ただ業生色法ーー過去の業力によって生じた所の、色法の生命力をのみ維持するのである。色法が生じる原因は四種ある:1.業生色。2.心生色。3.時節生色。4.食素生色。命根は、ただ、業生色色法の生命力をのみ維持する。                   命根は、8個の色法と共に生起する。これを「命根9法聚」と呼ぶ。地、水、火、風、色彩、香り、味、食素、命根。命根を区分し、判定する方法は、(vippasanāの修行で)観照をする時に、ある種の色法が、生命力がある、よく動くものがあれば、それが命根である。命根9法聚は全身に遍満している。特に、我々の腹部、消化の火の近く。