南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(109-5)(私家版)

6.行道智見清浄……                         彼はこれら進展の妨害から抜け出して、引き継き修行する時、三相に関する一系列の観智、即ち、生滅智から随順智までを証得する。この9種の観智は、名を行道智見清浄と言う。それはそれぞれ        (1)生滅智(成熟の段階):これは、観の汚染が始まる前の観智と同じ智である。しかし、観の汚染を克服した後である為、それは更に成熟して、強化され、鋭敏になる。。。。。            (2)壊滅智(bhangañāna−n上の点。以下同様):禅修行者の観智が非常に鋭敏になった時、彼は諸々の行法の生時と住時に作意しなくなり、ただそれらの壊滅を観察するのみとなる。これが即ち、壊滅智である。。。。。。。           (3)畏怖智(bhayañāna-nの下点。以下同様):禅修行者が三世の行法の壊滅を観照する時、これら一切の生存地において不断に壊滅する行法は、恐ろしいものであると覚知する。。。。。。            (4)過患智(ādinavañāna-i長音。nの下点。以下同様):一切の行法への畏怖を感じ、それらは実質がない事、不円満であること、採用するべきではない、過患しかない事を照見する。また、無生無滅の無為のみが安全である事も知る。            (5)厭離智(nibbidāñāna-n下点。以下同様。):一切の行法の過患を知った後、それらに対して厭離を感じ、一切の生存地における、如何なる行法にも楽しまない。          (6)欲解脱智(mūcitukamyatāñāna-nの下点。以下同様):これは、観照している時に生起する所の、一切の行法から脱離したいと願う智である。。。。。。。。                      (7)審査智(patisankhāñāna-前のn上点。後ろのn下点。以下同様):諸々の行法から脱離する為に、禅修行者は、各種の方法でもってそれら三相の行法を観照する。彼が、諸々の行法の三相を明晰に審査したならば、、それを審査智と言う。。。。。            (8)行捨智(sankārupekkhāñāna-n下点。以下同様):審査の後、禅修行者は、諸々の行法の中には、何一つ「我」「我のもの」として執取するべきものはないと、照見する。結果、畏怖と楽への執取、この二者を捨てる。一切の行法に対して中捨を感じる。これを行捨智と言う。。。。。。          (9)随順智(anulomañāna-n下点。以下同様。):これは出世間道心路過程の中の、種姓心以前に生起する所の欲界心である。この智慧が随順と呼ばれるのは、その前の八種の観智の作用に随順する事と、その後の道智に随順するからである。校正完。。