Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-95

最も小さな間違いであっても、害があるという事を見通したならば、

あなたは、貪・瞋・痴を断ずる事に、勇猛果敢に、精進しなければ

ならない。

小さな間違いなんて大したことはない、などと思ってはいけない。

というのも、どのような小さな悪業であっても、いずれあなたをして、

菩薩道から乖離させる事ができるから。

例えば、ディバダッタは、彼の前世の中で、一度は我々の菩薩の友人

であったことがある。彼ら両人は、共に菩薩道を修することを発願

した。しかし、その後の、もう一つ別の世において、未来のディバ

ダッタは、一つの金の茶碗のことで、我々の菩薩に恨みを懐いた。

その瞋恚と怨恨の心は、彼をして菩薩道から乖離させることに

なった。が、その後に、彼もまた仏陀から、最終的には、

辟支仏(paccekabuddha)になれる、という授記を得たのである。

最後に、あなたは、常に、解脱、すなわち、最終的な目標である

涅槃に、心をして傾倒させるようにするべきである。

ただこのように、心をして、仏果に導き、向かわせることに

よってしか、あなたのなした善業を、波羅蜜として計上する

ことができない。

そして、あなたがなした一切の努力のみが、あなたをして、

唯一の目標、すなわち、仏果へと導き、つれて行くこと

ができる。

今夜の法話は、これで終了です。

次回の法話も、引き続き、大菩提乗について、お話します。

(+ )訳者。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)